次の日
朝早くに学校に行った
前の晩に書いた結衣への返事を
下駄箱にこっそり忍ばせた
ランドセルを体育館の廊下に放って
何事も無かったかのようにバスケの自主練を装った
朝礼ギリギリの時間に
慌てて教室に戻った
そう、何事も無かったかのように
自分の席に座った
手紙に気づいただろうか…
気になってしようがなかった
1日ずっとそのことばかり考えていて
授業なんてまるで頭に入ってこなかった
学校が終わったら
友達の雄二の家に遊びに行く約束をしていた
なんだか落ち着かなくて
フライングで教室を飛び出した
帰りに結衣と一緒になったらなんだか緊張するし
とりあえず下駄箱に向かった
カサッ
靴を履くと中に紙切れが
驚いて紙切れを中から取り出して
急いで校門を出た
紙切れを開くと
「うん。」
と、一言だけ書いてあった
この間の結衣の返事に
僕はこう書いたんだ。
「手紙本当だよ、好きになったみたい」
その返事が「うん。」の一言だから
どういう意味なのか全然わからなかった
そうしてるうちに1日数回の手紙のやりとりが続いていた
一週間経って
日曜に遊ぶ約束をした
2駅向こうのゲームセンター
雄二と遊ぶ時のおきまりの場所だ
今日は雄二は習い事の日だし
知ってる奴らも来ないし
結衣と手紙交換しかしていない
ちゃんと直接話してみたかったんだ
13時に駅で待ち合わせた
その日は雨で
傘を差してもびしょ濡れだった
駅で待っていると
透明のビニール傘を差して
手を振りながら僕の横に来た
なんだか、学校以外で会うのも
意識し始めてから久しぶりだし
なんか照れくさかった
結衣は僕の側に来て
傘を持っていない方の手を握ってきた
鼓動が聞こえそうなくらいドキドキした
手のひらも汗ばんでるし
なんだかわけのわからないままゲームセンターまでたどり着いた
