スペイン戦の総括です。
スペインは予想通り433システムできました。
強者のサッカーでポゼッションをする算段です。
それに対して日本は攻撃時343、守備時541の守備ブロックをしいてきました。これはコスタリカも行っていた中を固める541の守備ブロックです。前半は厳しい戦いになりました。
前田の前からのプレスで数回チャンスを作りましたが、点は決まらず。逆にスペインは、日本の虚をつきます。
インサイドハーフがウィングを追い越し、センタリング。
クリアされますがサイドバックがまたクロス。
これを決められてしまいました。スペイン得意のポゼッションからのサイド攻撃でした。
それに対して、日本は正確なビルドアップを繰り返す相手センターバックの一人に対して、田中碧がプレスをかけに行きます。スペインのアンカー、インサイドハーフにパスが回ると板倉がプレスに行くと言う構図で、板倉を一枚上げた、451システムで対峙します。これには、スペインも修正をかけて、
ポゼッションをし直します。
後半は、開始早々、右サイドで、堂安、伊東のコンビで追撃します。サイドに攻撃時、3枚(板倉、伊東、堂安)がいる効果が出たのではないでしょうか。やはり、サッカーにおいて得点が30〜40%を占めるサイド攻撃が効いた結果でした。
森保監督の采配も光りました。選手交代も、大胆な交代でした。
スペインがサイドの選手4人を、交代させ、サイド攻撃を活性化しようというエンリケの戦略を逆手に取り、伊東を左サイドに持っていき、センターバック3枚がイエローをもらっている状況で冨安を右ウィングバックにしました。これは、相手のバルサコンビの縦関係を封じ込む作戦です。このサイドの攻防で勝利したのが大きいのです。左サイドも三苫、伊東のコンビで優位に立ちました。そんな中、またも右サイドでチャンスを作ります。堂安が右足でクロス。それをラインギリギリで三苫が折り返し、田中碧が押し込み逆転に成功します。相手のコンダクターであるインサイドハーフをDFラインに押し下げた、田中碧の功績も大きいです。DFラインに吸収されたインサイドハーフは、後方からチャンスを作ろうとしますが、ペナルティエリア付近で仕事をされるより、幾分マシでしょう。スペインの猛攻である、日本の虚をついたワンツーからの抜け出しも、ゴールキーパー権田のファインセーブで凌ぎ、逆転勝利をもたらしました。サッカーを90分での生き物として捉え、プラン、戦術、戦略を立てた森保采配にスペインが食われたのです。ドイツ戦に続き、これは奇跡ではなく、勝利に向かっていく軌跡だったにちがいありません。
決勝トーナメントでの戦いも、これから期待したいところです。