夢の種類から云はねばならぬが、神夢、霊夢、実夢、虚夢、雑夢、悪夢といふのがある。神夢といふのは、神が姿を現はして、或ひは白衣の老人が現はれたとか、或はわしの姿が表はれたとかして、そこで色々の事を教へる、といふやうなのが神夢じや。霊夢といふのはもう少しぼんやりして居って、或は太陽が出たとか、富士山に登ったとか、或は鷹が来たとか、さういふやうな瑞祥の夢を見る時や、それを秩序整然と初めから終ひまで憶えているのが霊夢や。併し霊夢には良いのも悪いのもある。

悪夢は妙なものにおそはれたりするやつ。雑夢は木に竹を接いだやうなことで、今亀岡に居るかと思ふと東京に居たり、又綾部に居って見たり、梅の木ぢゃと思って居ったら牡丹の花が咲いて下に筍が生へたり、木に竹を接いだやうなのを雑夢と云ふぢゃ。それから人の心気が霊に感じて、気分の良い時には霊夢を見る。雑念のある時には雑夢を見る。

神夢を見るといふのは余程魂が清浄でなければならん。今年は日の出の夢を見たとか、富士の山を見たとかいふのは霊夢ぢや。実夢は、何処そこに何が落ちとったといふやうな事を見て、翌日行って見ると実際にそれがある。夢で見たのだからな。悪夢はおそはれる奴だ*そこら中霊ばかりだから。霊が充満しているのだから。
『出口王仁三郎全集』第2巻,高木鉄男,昭和9. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1138063