文系とはなにか。
辞書に尋ねる

「文科の系統。また、その学科」

なるほど
では文科とはなにか。
再び尋ねる

「数学・自然科学系統いがいの学問分野」

なんだ、それだけか。
もっと辞書を引くのに時間を要すると思っていたのに。残念。

悔しくも、納得してしまった。
というより、文系、理系の区別について、これ以上考察することを脳が拒んでいるのだろう。

「文系」なるあまり意味の無い枠組みの中には、様々な学問がある。
知らない学問については何も言えないが、文学についてなら意見を持っている。
よってこの視点から想いを述べる。

世界でどうかは知らない。
しかし日本では、文系なる集団は肩身の狭い思いをしているようだ。
現在、何か学ぼうとすれば、まずはROIを考慮せよと言われる。
Return on Investmentの略。
恩師ならこう言われるにちがいない。

「おしゃれじゃない」と。

何かに時間なりお金を費やしたら、必ず見返りを求めるというなら、文学は分が悪い。
文学とは心のおしゃれであって、投資ではないから。
「心のおしゃれ」という表現は、尊敬する恩師からの受け売りである。
しかし、どこぞの企業のように、ノルマがあって、営業に勤しんでいるのではない。
この表現が好きで、自らの内に留め、必要な時に使わせてもらっている。

「文系なんて、、、」と聞くと、「心のおしゃれなんて、、、」と聞こえる。
外見のおしゃればかりで、心のおしゃれについて考える余裕のない社会。
そんな社会は、なんか、息苦しい。


辞書は『大辞林 第2版』を引いた。