概要

生きていて一度は「死にたい」と思ったことのある人は多いはずだ。調査によるとこの国の15~19歳の約半数が希死念慮経験があるという。

この論では、我々が抱く希死念慮の正体について、抽象度の高い視点から低い視点へと見ていくことで網羅的に明らかにする。

 

 

意義

この論は我々が外部からどのようなフィードバックを得たときより希死念慮を生じさせやすいかを明らかにする。
つまり、社会的にどのような状況を生じさせてしまうと、希死念慮を引き起こしてしまうのか、社会的になくさなければいけない状況を考察する際の指針となりうる。
それと同時に、我々が感じる希死念慮の原因を明らかにすることで、自分の置かれている状況への無明・無知による恐怖を軽減しうると考える。

 

 

前提

まず我々の人生は、外部刺激と内部情報活動(心≒脳)の相互フィードバックである。

そして希死念慮はある特定の内部情報活動の体感である。

当論における希死念慮は「死にたい」等の言葉が脳の言語情報に現れた状態、または死を目的とした間接的・直接的衝動を有する状態とする。

ここでいう「死を目的にする」というのは生命活動を終了させることそれ自体を目的とすることとする。つまり、死を手段とする場合(例えば死を自演して他者を脅迫する場合など)を除く。

 

 

続く