今回は父方の祖母の話。
私はなんとなくずっと祖母が怖かった。
祖母は、私がとても小さい頃私達の住む家に泊まりに来た時、
帰る時に私が「おばあちゃん、帰っちゃダメ!」と泣きながらすがった事が忘れられなかったらしく、何度も何度もその話を私にした。
そんな事は私は全然覚えていなかったんだけど祖母はとても嬉しかったのだろう。
それを聞かされるとなんとなく重くて、黙っていた。
また、祖母はお見合いで祖父と結婚したが、
本当は好きな人がいた事、
祖父とのお見合いの時に聞いていた話と結婚してうちに入った時がまるで違っていた、だまされた!
という恨み言を何度も何度も私に聞かせた。
祖母は私と一緒に寝たがった。
私は嫌と言えずに半分我慢する感じで一緒に寝ていた。
祖母はとてもプライドが高くて、素直になる事ができず、家族をはじめ、色んな人と上手く付き合えていなかったようだった。
それでも心の中では悩んでいたらしく、
夜中にぶつぶつと、その後悔を一人で呟いていた。
それがとても薄気味が悪くて怖くて一緒に寝ることが嫌だった。
でも祖母を傷つけるのがもっと怖くて一緒に寝ることを嫌だとは言えなかった。
もちろん私の母とも仲は悪く、
母が電話で泣きながら祖母と喧嘩をしている情景が今でも思い出せる。
そして普通にお互いの悪口を私に聞かせてきた。
私は二人の間に挟まれて辛くて、ほんの3歳くらいなのに間でおろおろしていた気持ちを今でも思い出せる。
ここまで書いてきて、父方の祖母と私の母は似ていると思った。
私は子供で、自分のことだけ考えて生きていくべき頃に、
私に甘え、自分の愚痴や私にとって大切な母や祖母の悪口を平気で言い、
自分の味方につけようと、私を迷わせ悩ませていたこと。
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私が結婚した時にはすでに父は亡くなっていたので、
もともと母と仲違いをしていた父方の親戚からは誰も式に参加してくれなかった。
唯一、叔父さんの奥さんとその娘の従妹だけが参加してくれた。
電報は届いたがみんなしめし合わせたように同じ内容の文章で…。
母は「来てもらわなくていい!」と怒って言った。
とても傷ついた。
祖母が本当に私を思い、私を愛していたのなら、自分の意地より私の幸せを優先させて来てくれたはずだよね…。
祖母と父方の親戚たちは、私の幸せより、自分たちの意地を通すことの方が重要だったのだと思うと、誰もが精神的に幼稚だったんだなぁと残念に思う。