☆携帯小説

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 暖かい春。
 家から1歩でた僕をまだ少し冷たい風が包んだ。
 「慣れないなーこの靴」
 踵が少しきつくてまだ型にあっていない。痛くならないか不安だ。と考えているうちに1、2分すぎてしまった。
 僕は時間にすごくルーズだ。なんせ、家から2時間ほどかかる高校に今日から通うので、少しでも遅れたらすべてがズレてしまう。今日は絶対に遅刻できないのだ。

 見慣れない景色を少し早歩きで進む。駅に到着する前から人は徐々に同じ方向へ歩く。これが毎日続くのか。憂鬱になりそう。
 そんなこんなで学校についた。
 下駄箱についてキョロキョロする。すごく人見知りだから。でも中学までの僕とは違う。朝、必ず教室に入るときは「おはよう!」と大きな声でいうんだ。みんなどんな反応するだろう。この子はムードメーカーかな?とか、テンション高いな。とか、まぁ好印象なのは間違いない。
 そんな自信を持って僕は飛び込んだ。

 「おはよう!!!」
 自分でも想像以上に大きな声で言った。
 声を張りすぎたせいか、みんな唖然としていた。これはミスをしたかもしれない。
「お…おはよー…」
 あぁ、ほらね、引いちゃっている。
 まぁでもいい。挨拶が大きくて失われるものなんてない。
   
 入学式が終わり、僕が声をかけようとすると、ビクッとなる子が多く、なかなか声をかけられずにいた。
 そんな時ひとりの女の子が僕に声をかけてきた。
 「ねえ、さっき大声で叫んでいたよね?なんて言ってたの?」
 え…?まさか僕の声が大きすぎて何を言っているのかわからなかったのか?そうだとしたら、僕はただの大声だす変な人じゃないか。ようやく状況がわかった。
 「あ…あいさ…つを…」
 急に自信をなくしてしまった。声がヒヨコのようだ。
「あー!あいさつね!なんだー大声で急に叫ぶから何かと思ったじゃーん!」
 と彼女は僕の背中を思いっきり叩いた。
 「いて!強いよ…」
「あはは、ごめんごめん笑」
 「私、片瀬つぐみ!よろしくね!」
  といい、笑顔で無理やり僕と握手をした。

 これが僕の運命をかえる出来事なんて、誰も知らない。