テニスプレイヤーはとても厳しい世界で戦っている。



大会に出るのがどれだけ大変か。それは大変のグレードに関係なく言える。最下層の1.5万ドルの大会でも、今シーズンは特にツアーのポイントの仕組みが変わって出場枠が一気に少なくなった。ATPランカーも半分以下に減り、下位の選手たちのポジションは今まで以上に厳しくなった。



本線の出場枠はそのままだが、予選の枠が48や64あったのが24になった。その後すぐに32に修正されたがそれでも門が狭まったことに違いはない。



それ以前でも下位の選手たちの生活は厳しいものだった。



グランドスラムやマスターズを見ると、フューチャーズの賞金は比べ物にならない。1.5マンドルの大会では優勝賞金は20万円にも満たない。遠征費などの出費を考慮すると選手の手に残るのは微々たる額だ。



それでも選手はポイントを稼ぐために、確実ではない可能性にかけて海外に遠征しなければならない。



少ない賞金とスポンサーを頼りに、勝利という期待を胸に試合に挑まなければならない。ベテランになれば家族を養わなければならない人もいる。若手も短い選手としての寿命を考えると、無駄な日は1日もない。どの選手も常に不安と戦っている。



それがどれほどのプレッシャーなのか、自分には想像できないけど、間違いなく想像以上だということはわかる。



でも、そのプレッシャーと戦っていることを、一体どれだけの人が知っているだろうか。その数は本当に少ないと思う。



プロとして生きていくことを決めたのは選手自身だし、たくさんのお客さんに見てもらえるかどうかは実力次第だ。



それでも、プロの世界の厳しさを垣間見ると、下位の選手がプロとしてどのように生きているのかを、もっと多くの人が知ってもいいのではないかと思う。



一握りのトッププレイヤーは確かに魅力に溢れている。



だが、まずプロとして戦うとはどういうことなのか。ランキングに関係なくプロとして生きていくことの難しさを理解しなければ、選手の本当のすごさは理解できないのではないか。



誰でも最初は無名の選手としてツアーに参加し、不確かな将来に希望を見出してトップを目指す。



プロになるときに、プロとして生きていけなかったらどうなるかを考えない選手はいないのではないか。そこを承知の上でプロの世界に飛び込んでいくのだと思う。



常に不安と戦う選手のリアルを知らずして「テニスプレイヤー」を知ることはできないだろう。



テニス界を形成するのはほとんど無名の選手たちだ。彼らのことを知って初めてテニスのことを知ることができるのではないか。