先日掲載させていただいた一般質問に対する答弁(市民病院関連箇所のみ)を掲載いたします。


先入観なくお読みいただきたいので詳しくはコメントしませんが、数値・期限について明言されておらず、何かあったときの責任は誰も取らなくていいような内容になっています。


また、本文中にある地元医師会から派遣される予定の常勤医師はかなり高齢の地元医師会で重鎮の方だと聞き及んでおります。


【本田病院事業管理者の答弁(6月議会)】


井上議員のご質問のうち、市民病院についてのお尋ねにお答えいたします。


市民病院の今後につきましては、ご承知いただいておりますように、慢性期及び回復期の医療を中心に展開していくこととし、その運営は民間に委託する方向で再生をはかっていくこととしております。


現在、これの実現に向けまして、委託予定先の法人はもとより、医師会をはじめ、関係者の方々にご協力を仰ぎながら、必要な医師の確保など、早期に体制を整備できるよう努力を尽くしているところであります。


また、併せて、本市の地域医療全体の支え手であります地元医師会とは、市民病院の今後の進め方などについて、協議をいたしており、今後、市民病院の新たな枠組みの具現化を図ってまいります中で、地元医療機関と連携して、地域全体の効率的な医療提供体制の構築に寄与できるよう努めてまいりたいと考えております。


初めに、これまでの経過や現状の認識についてのお尋ねでありますが、これまで市民病院再建のため、設置者(市長)をはじめ私どもは医師の確保に全力で取り組んでまいりました。


この間、新たな研修制度の影響や医師社会の意識の変化等により、地方においては全国的に極度の医師不足に陥り、全国の多くの自治体病院は、経営の悪化と相まって、その存続すら危ぶまれる状況下にあることはご承知のとおりであります。


このような社会情勢の変化の大きなうねりの中で、私どもも、それこそ東奔西走して懸命に努力してまいりました。しかし、他の自治体病院も同様の状況のようですが、医師の引き揚げに遭う一方で、自治体の努力だけでは安定した医師の確保は難しく、自治体病院の再生は困難を極める状況下にあると認識するに至りました。


ご高承のとおり、戦後の医療事情が極めて厳しかった時代には、地域の医療の確保そのものが主題であり、こういった時代背景の中で全国に自治体病院が設立されてまいりました。


そして、道路網の整備も進み生活圏は広がり、一方で、高度かつ多様な住民のニーズに応えていく中で、公的な医療機関とともに民間の医療機関が増加し、医療環境が充実してまいりました。


今日においては、高齢化の進展等により医療費が増嵩し続けまして、政府は医療政策の抜本的な改革を迫られ、保険制度とともに医療提供体制は大きな転換期を迎えていると存じているところであります。


このような認識に立ち、改めて地域医療を考えますとき、自治体単一の病院に止まらず、地域全体で効率的な医療提供体制を構築することの重要性がまさしく求められており、大局的な視点に立ってこの方向性を定められたものと存じております。


次に、現在の状況などについてのお尋ねでありますが、地元医師会には、協議の場を通じまして、市民病院の今後の方向に対するご意見や、常勤医師の確保等についてのご支援をお願いしてまいりましたところ、昨日、岸本会長様より「医師会としては、地域医療を支えていくことが究極の使命であると考えている。この観点から市民病院を支援することとし、会員の中から常勤医師1名を送り出す」旨のご返事をいただきました。併せて「この地域に療養型は必要であり、医師会としてもその方向を支援していく」との心強いお言葉も頂戴し、改めましてこの場をお借りし、感謝申し上げる次第であります。


地元医師会のご支援は、再生に向けた大きな第一歩であり、これを契機として、大きく前進を図ってまいりたいと考えており、市議会各位の更なるご支援とご理解を心からお願いするものであります。


委託が延期となりました民間医療法人につきましては、年度末において「医師確保にはかなりの時間を要する。ただ、早期に確保できれば早くお受けすることは可能」との口頭での回答をいただいており、現在も交渉は継続しております。


また、常勤医師の確保は不可欠でありますので、現在、待遇面を整備する中で、複数の医師と交渉を重ねているところであります。


しかしながら、速やかな体制整備が最重要課題でありますことから、地元医師会とも十分協議いたします中で、更なる取組みを進めてまいりたいと考えております。


次に、財政見通しなどについてのお尋ねでありますが、現在は、移行期により入院や外来診療収益は大幅に減少しておりますが、一方で、職員数の減員をはじめとした大幅な経費の減少となっておりまして、4月単月での経常収支不足は約8千万円となっておりますことから、結果的に予算の範囲内での収支不足という見込みであります。


一般会計からの支援の範囲内とは申せ、病院事業の継続を図るためには収支両面にわたる改善が必要なことは当然で、また、急務でありますことから、必要ないしの確保など、早期の体制整備に努め、市民病院の新たな枠組みの具現化を図り、もって、安定収益の確保に向けた取り組みを行う中で、その財政支援の縮小を図ってまいりたいと考えております。また、訪問看護・訪問リハビリテーションについては、一定の軌道にのれば年三千万円程度の収益計上が可能になると考えております。


なお、今年度の一般会計からの財政支援は、あくまでも病院再生のために措置されたものであると考えております。


今後の方向性につきましては、冒頭に申し上げたとおりであり、何としてもこの難局を乗り越え、病院再生を果たしてまいりたいと強く決意いたしているところであります。