昨日、議壇に立ち一般質問を行いました。今朝の朝日新聞には名前入り、京都新聞(以下ご参照)には私の発言の一部が取り上げられました。市民病院の閉鎖について初めて言及したので反響が大きかったようです。また、多くの市民の皆さんが傍聴に来られ、市民病院問題の注目の高さを実感しました。


【朝日新聞(6/14朝刊)】


運営への質問相次ぐ~市議会 閉鎖の恐れ問う声~

(前略)

井上聡議員(翔友会)は、診療体制を大幅縮小している市民病院について「ついに常勤医師一人(加佐診療所を除く)、入院患者二人で、すでに病院と呼べる状態ではない。市民の税金を無期限に投入することはできない」とし、病院を委託する指定管理者を全国公募したり、病院を閉鎖したりする可能性を問いただした。本田病院事業管理者はいずれも現時点では考えていないとした

(後略)


【京都新聞(6/14朝刊)】


http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2006061300286&genre=A2&area=K60

(一般質問の下線の場所が記事になっています)




一般質問の市民病院に関する箇所を紹介します。少し長いですがお目通し頂ければ幸いです。また、答弁後に再質問も行いましたので併せて載せておきます。答弁については次回掲載しますが、「早期の民営化を目指す」という方針は変わらず、厳しい状況となっている民営化の実現可能性については明確な答えは得られませんでした。


【一般質問(一回目)】


最初に、この数年来、本市における最大の問題となっている舞鶴市民病院について質問させて頂きます。

舞鶴市民病院は、ついに常勤医師がたったの1名、入院患者2名の病院となり、いや既に病院と呼べる状態ではなく、当初予定していた京都武田病院への民営化も風前の灯火となり、長年の歴史が閉ざされるかどうかの瀬戸際にさしかかっております。先の3月議会では市内での過当競争を避けるべく総合病院との機能分担や病病連携を行い、不足している回復期・慢性期医療に特化し、経営ノウハウを有する民間医療法人に業務委託して経営効率を上げるという市の方針に一定理解し、本年度予算策定時の前提である上半期中の民間委託に大きな期待を寄せましたが、その実現は医師確保に目処がつかないことから大変厳しい状況となっています。民営化の方針を掲げて、その実現に向けて全力のご努力を頂いていることは承知しておりますが、一方で市民の貴重な多額の税金をこのような状態のまま経営支援として無期限に投入し続ける訳にはいきません。昨日、舞鶴医師会から常勤医師を一名派遣頂けるとのご報告を頂きましたが、病院の大黒柱である常勤医師がたった一人という状態では病院としての体をなしておらず、市税投入の市民理解を得ることは難しいことから、この苦境を一日でも早く打開していくことが急務だと考えております。そこで3点質問いたします。

一点目は内科医大量辞職以降の反省点の総括、及び、現状をどのように認識されているかについてうかがいます。この数年来、本会議や委員会の場で危機感を醸成すべく意見を申し上げてきましたが、問題意識を共有できてきたかについて自省も込めながら疑問に感じております。議会の場で多額の累損を抱える市民病院の収益改善を強く求めてきたこともあり、そのことが間接的にでも内科医大量辞職につながったとすれば、責任の一端も担わなければならないとも思っております。そこで、行政と共に自省して現状を冷静かつ客観的に認識した上で、「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」という言葉がありますが、間違いを改めるに遅すぎることはなく、ゼロベースで今後の方策を考えていくべき時だと考えております。そこで、行政として今回の市民病院問題における反省点の総括と問題意識の共有が出来ているのかを確認するという意味で、現状をどのように考えているかについてお聞かせ下さい。

二点目は医師確保・業務委託・経費抑制の3つの病院経営上の重要事項についてうかがいます。

まず、医師確保についてですが、市長をはじめ関係者の皆様が二年を超える長い時間と多大なる労苦を費やされたにもかかわらず、残念ながら急性期病院としての再建に必要な内科医の確保は出来ませんでした。言うまでもなく、病院は医師がいなければ機能しません。しかし、残念ながら医師が都市に集まることは、生活面の利便性、子弟の教育環境、大学病院などに通いやすく医療技術の習得に有利なことから、日本全体で避けられない流れとなっております。その解決策の一つとして都市にいるメリットを超える「舞鶴に行ってみたい」と思わせる金銭的インセンティブや勤務状況の改善を含めた魅力的な条件の提示が挙げられます。そこで、医師の待遇の改善の必要性についてはどのようにお考えかお聞かせ下さい。また、急性期病院で必要とされる医師の資質と回復期・療養型病院で必要とされる資質は大きく異なるのではないかと考えております。その点と過去からの反省点を踏まえ、新たな医師確保を現在どのように進めておられるのかをお聞かせ下さい。

次に、業務委託・民営化についてですが、医師確保に目処がつかなければ民間病院への業務委託は「絵に描いた餅」に過ぎません。現在、地元医師会においてご検討頂いていると聞き及んでおりますが、どちらの病院でも余剰の医師を抱えてはおられず、ようやく1名の常勤医師派遣に目処がついたとはいえ依然厳しい結果も予想されます。民営化の実現可能性をどう考えているのかについてお聞かせ下さい。

また、経費抑制については、市民院の職員数は医師も含めて予算策定時の前提条件から大幅に減少しており、それに加えて患者の減少に伴う薬価の圧縮、アウトソーシングコストの削減等の市民病院での自助努力も実施して頂くことにより、1,636百万円にも上る経営支援補助金に多くの余剰を生み出すことが可能だと考えております。そこで、現状でどの程度の余剰を生み出せるか見通しをお聞かせ下さい。そこで、限られた貴重な税金を有効活用していくために、補助金の余剰分については市民病院だけでなく、市民にとって必要不可欠な産婦人科・小児科・救急医療等を行う他病院に直接補助することにより、医師・設備の充実を支援するという手法をご検討いただけないでしょうか御所見をうかがいます。また、経費については第一四半期においてどのような推移で支出されているのか、どのような削減努力を行われているのか、及び、新たに始められた訪問看護・訪問リハビリテーションの収益面での貢献についてもお聞かせ下さい。


三点目は今後の市民病院の方向性についてうかがいます。市民病院の将来を長期的に考える際には、回復期・慢性期医療の民間委託にこだわらず、幅広く将来の可能性を検討すべきだと考えています。その中で市民病院というハードをいかに上手く使って収益を上げていくかについても検討を始めて頂きたいと思います。また、民営化の方針自体には賛成をしておりますが、それが不首尾に終わった場合にはどうするかを考えるべき時期にさしかかってきているのではないでしょうか。予定通り民営化できれば結構なことですが、上手くいかなかった場合のことを考えておくことは、市民の大切な税金を預かるものとして当然のことですし、リスクマネージメントは市政運営上当然行わなければなりません。民間企業においては一つの事業には定性面・定量面から厳しいエグジット・ルールを設定し、当初予定していた成果が期限内に上がらない場合は撤退・清算することが当然のごとく行われており、今のような状態の市民病院に市民の多額の税金を無期限に投入し続ける訳にはいかないという観点から、市民病院の将来についてどのようにお考えか御所見をお聞かせ下さい。

【一般質問(二回目)】


医師確保においては「舞鶴市民病院」という名前自体がマイナスではないかと懸念しております。全国的に有名となった内科医大量辞職等のよくないイメージをひきずっており、長年市民に親しまれた名前とはいえ、来てくれる医師がいなければ元も子もありません。そろそろ名称変更も検討すべき時期だと思いますが御所見をお聞かせ下さい。
② 地元医師会は民営化は受けて頂けないとのことですが、透明性を担保し民間の幅広い英知を集めてくるという観点から、指定管理者を全国から公募して運営を委託することも考えてみてはいかがでしょうか。
今後の方向性についてですが、市民負担での経営支援を無期限に続ける訳にはいかず、市民との公約である民営化が本年度中に出来なかった場合は、誠に残念で厳しい決断になりますが市民病院事業からの撤退、つまり清算も念頭にいれなければならないと思います。病院の閉鎖についてはどのように考えていらっしゃるのかお聞かせ下さい。