問題 16 (過去に類似問題あり)

生活保護法における補足性の原理の説明として,適切なものを1つ選びなさい。

1 国の責任において保護を行う。

2 全ての国民に無差別平等な保護を行う。

3 健康で文化的な生活を維持できる保護を行う。

4 資産・能力等を活用した上で保護を行う。

5 個人または世帯の必要に応じて保護を行う。

解答

国家責任の原理

無差別平等の原理

最低生活保障の原理

4〇補足性の原理

5×4原理に該当しない

参考:生活保護の4原理

国家責任の原理

 生活保護法は、日本国憲法第25条の理念により、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度により、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長します。

無差別平等の原理

 すべて国民は、生活保護法に定める要件を満たす限り、この法律の保護を、無差別平等に受けることができます。

最低生活保障の原理

 生活保護法は、健康で文化的な生活水準を維持できる最低限度の生活を保障します。

補足性の原理

 保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件とします。

 民法に定める扶養義務者の扶養および他の法律に定める扶助は、すべて生活保護法の保護に優先して行われます。

 急迫した事由がある場合は、必要な保護を行うことができます。

 

【介護の基本】(10問) 17~26問題

問題 17 

Fさん(72歳、女性、要介護2)は、中等度の認知症(dementia)があり自宅で夫と生活している。ある日、それは訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、夫が散乱したコーヒー豆を片づけていた。Fさんは、「わからなくなっちゃった」と言っていた。訪問介護員(ホームヘルパー)が夫に事情を聞くと「今も、日課でコーヒーを豆から挽いて入れてくれるんだが、最近は失敗することが多くなって、失敗すると自信を失ってしまうしね。でも、毎朝、『コーヒーを入れなくちゃ』と言うんだ」と寂しそうに話した。

訪問介護員(ホームヘルパー)の夫への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「そばにいて、Fさんと一緒にコーヒーを入れてはどうですか」

2 「Fさんと一緒に、喫茶店にコーとーを飲みに行ってはどうですか」

3 「おいしいコーヒーを買ってきて二人で飲んではどうですか」

4 「私がFさんからコーヒーの入れ方を教えてもらいましょうか」

5 「新しいコーヒーメーカーを買ってはどうですか」

解答

1

毎朝、『コーヒーを入れなくちゃ』と言っていることから、本人のその意思を尊重します。

毎朝、『コーヒーを入れなくちゃ』と言っていることから、本人のその意思を尊重します。

コーヒーを豆から挽いて飲みたいという意思を尊重します。

 

問題 18 

Gさん(80 歳女性,要介護3)は,脳卒中(stroke)の後遺症により左片麻痺があり、からだを思うようにコントロールができず、ふらつきが見られる。以前は、2.間に一度は美容院で長い髪をセットしてもらい、俳句教室に行くのを楽しみにしていた。病気になってからは落ち込むことが増え、介護が必要になったため、介護老人福祉施設に入所した。

ノーマライゼーション(normalization)の考え方を踏まえた、Gさんへの生活支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 洗髪しやすいように、長い髪のカットを勧める。

2 共同生活のため、夕食は施設の時間に合わせてもらう。

3 落ち込んでいるため、居室での生活を中心に過ごしてもらう。

4 おしゃれをして、施設の俳句クラブに参加するように勧める。

5 転倒予防のため、車いすを使用してもらう。

解答

2×Gさんのペースを大切にします。

4

ふらつきが見られるものの歩けるようなので、車いす使用よりも残存している機能の活用を考えます。

 

問題 19 (過去に類似問題あり)

I C F (International Classification of Functioning, Disability and Health :国際生活機能分類)の視点に基づく環境因子と心身機能の関連を表す記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 電気スタンドをつけて、読書を楽しむ。

2 車いすを使用して、美術館に行く。

3 聴力が低下すると、コミュニケーションがうまくとれない。

4 ストレスが溜まると、活力が低下する。

5 床面の性状が柔らかいと、バランスを崩す。

解答

社会因子と行動の関係

社会因子と参加の関係

個人因子と心身機能の関係

個人因子と心身機能の関係

5〇環境因子には物的環境、人的環境、社会的環境が含まれますが、床面の性情は環境因子の物的環境。心身機能とは、たとえば手足の動き、精神の働き、視覚・聴覚、内臓の働き など。従って床面の柔らかさが身体のバランスを崩すという関連を示しています。

 

問題 20 (過去に類似問題あり)

Hさん(80歳、女性、要介護I)は、アルツハイマー型認知症(dementia of  the  Alzheimer’s  type)である。20年前に夫が亡くなった後は、ずっと一人暮らしをしている。これまでの生活を続けていきたいので、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することにした。訪問介護員(ホームヘルパー)のHさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Hさんの意向を確認して、今までどおり畳で布団の使用を継続した。

2 入浴後、手ぬぐいで体を拭いていたが、バスタオルに変更した。

3 訪問介護員(ホームヘルパー)の判断で、食事の前にエプロンをつけた。

4 整理整頓のために、壁に立てかけてあった掃除機を押し入れに片づけた。

5 Hさんの気持ちを切り替えるために、家具の配置を換えた。

解答

1

Hさんが日ごろ実施している方法で対応します。

3×Hさんの了解をとりつけることが前提となります。

4×Hさんが日ごろ実施している方法で対応します。

環境をかえてしまうとHさんが混乱してしまう要因をつくってしまいます。