日曜日の18時。

リビングには穏やかな時間が流れていた。

テレビではバラエティ番組。

妻はソファに座って笑っている。

子どもは床に座って、おもちゃを広げていた。

窓の外はまだ少し明るい。

平和だった。

少なくとも、僕以外は。

 

スマホを手に取る。

会社のカレンダーを開く。

明日の予定を確認する。

 

9:00 海外チーム定例

11:00 顧客との打ち合わせ

14:00 役員報告

 

それを見ただけで。

胃の奥が重くなった。

 

「ああ、もう終わりだ。」

 

まだ日曜日なのに。

まだ何も始まっていないのに。

月曜日に飲み込まれそうになっていた。

 

妻が聞く。

 

「どうしたの?」

 

「いや、なんでもない。」

 

僕は笑った。

 

でも、本当は全然なんでもよくなかった。

 

頭の中では、もう会議が始まっていた。

 

役員から質問される。

 

答えられない。

 

海外メンバーが何か言う。

 

聞き取れない。

 

沈黙する。

 

気まずい空気が流れる。

 

そんな映像が勝手に再生される。

 

気付けばスマホで英語の記事を読んでいた。

 

勉強しなきゃ。

 

もっと準備しなきゃ。

 

努力が足りないんだ。

 

そう思っていた。

 

でも、ほとんど頭に入ってこない。

 

同じ文章を何度も読み返す。

 

気付けば20分経っている。

 

何も覚えていない。

 

焦る。

 

さらに焦る。

 

そしてまた、

 

「自分はダメだ。」

 

という結論だけが残る。

 

夜。

 

子どもが寝る。

 

妻も寝る。

 

僕だけがリビングに残る。

 

資料を開く。

 

英語の動画を流す。

 

単語帳を開く。

 

でも集中できない。

 

時計を見る。

 

23時。

 

0時。

 

1時。

 

寝なきゃいけない。

 

でも寝られない。

 

明日のことを考えてしまう。

 

ようやく眠れたと思ったら。

 

目覚ましが鳴る。

 

月曜日だった。

 

当時の僕は、

仕事が嫌なんだと思っていた。

 

英語が苦手なんだと思っていた。

 

能力が足りないんだと思っていた。

 

だから、

もっと頑張ろうとしていた。

 

もっと勉強して。

もっと準備して。

もっと自分を追い込んで。

 

なんとか乗り切ろうとしていた。

 

でも今振り返ると。

 

あの頃の僕は、

戦っていたんじゃない。

 

消耗していた。

 

ずっと。

静かに。

 

身体はずっと前から悲鳴を上げていたのに。

 

僕はその声を、

全部「努力不足」という言葉でかき消していた。

 

それに気付くのは、

もう少し先の話になる。

 

もしあなたも、

日曜日の夕方になると少しだけ気分が重くなるなら。

 

昔の僕と、

同じ場所に立っているのかもしれない。

 

僕が遠回りして学んだことは、

きっと役に立つ人もいると思う。

 

興味があれば、

下に置いておきます。
▼ メルマガはこちら