毎朝。

 

同じ電車に乗る。

 

同じ車両。

 

同じ時間。

 

いつもの席。

 

イヤホンを耳に入れる。

 

英語のポッドキャストを再生する。

 

「意識が高いですね。」

 

もし誰かにそう言われたら、

僕は少し照れながら頷いていたと思う。

 

でも。

 

本当は違った。

 

全然聞いていなかった。

 

何も入っていなかった。

 

英語の音声は流れている。

 

耳にも届いている。

 

でも。

 

頭には残らない。

 

気付くと、

別のことを考えている。

 

今日の会議。

 

上司への報告。

 

返信していないメール。

 

先週の失敗。

 

来月の評価。

 

頭の中は、

ずっと仕事だった。

 

だから10分後。

 

ポッドキャストが終わる。

 

でも。

 

何を話していたのか覚えていない。

 

本当に一つも。

 

それなのに。

 

翌日も同じことをする。

 

その翌日も。

 

また翌日も。

 

努力している気になっていた。

 

勉強している気になっていた。

 

でも正直に言うと。

 

ただ焦っていただけだった。

 

何かしなきゃ。

 

もっと成長しなきゃ。

 

周りに置いていかれる。

 

そんな不安を、

英語学習で誤魔化していた。

 

ある日。

 

隣に座っていた後輩が言った。

 

「朝から勉強しててすごいですね。」

 

僕は笑った。

 

「いや、全然だよ。」

 

そう答えた。

 

でも心の中では、

少し苦しかった。

 

本当は知っていたからだ。

 

全然身についていないことを。

 

全然集中できていないことを。

 

全然余裕がないことを。

 

知っていたから。

 

今振り返ると、

あの頃の僕は勉強していたんじゃない。

 

安心したかったんだと思う。

 

勉強している自分を見ることで。

 

努力している自分を見ることで。

 

なんとか不安を抑えようとしていた。

 

でも。

 

不安は消えなかった。

 

むしろ大きくなっていった。

 

努力しているのに。

 

成果が出ないから。

 

成果が出ないから、

もっと努力する。

 

もっと努力するから、

もっと疲れる。

 

そしてまた成果が出ない。

 

今なら分かる。

 

あの頃の僕に足りなかったのは、

勉強時間じゃなかった。

 

根性でもなかった。

 

やる気でもなかった。

 

そもそも、

何かを吸収できる状態じゃなかった。

 

だから。

 

どれだけ詰め込んでも、

こぼれ落ちていた。

 

まるで穴の空いたバケツみたいに。

 

でも当時の僕は、

そのことに気付いていなかった。

 

だから今日も。

 

明日も。

 

来週も。

 

同じ電車で、

同じ音声を流し続けていた。

 

努力が足りないと思いながら。

 

PS

僕は長い間、

「もっと勉強すれば解決する」と思っていました。

 

でも実際には、

勉強以前の問題がありました。

 

そのことに気付くきっかけになったのが、

ある無料のメルマガです。

 

最初は英語の話だと思って読んでいたんですが、

途中から全然違う話になっていきました。

 

そして気付けば、

自分が抱えていた問題の見え方そのものが変わっていました。

 

もし今、

頑張っているのに前に進めない感覚があるなら。

 

もしかすると何かヒントがあるかもしれません。

 

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