少年時代、小学5年のころ
大阪府の南部に暮らしていた時期があります。
父親の仕事で東京生まれの自分が初めて
他の土地で暮らし、子供ながらにかなりのカルチャーショック
を受けて過ごしていました、もちろん良い面悪い面さまざまに。
今はもうずいぶん環境が変わっていると思いますが、
南海高野線の河内長野駅からすぐの場所に
石川という川が流れており、父親に何度か釣りに連れて行ってもらいました。
私はかなり真剣に釣りにのめりこんでいたのですが、
そこでは小さいオイカワ、金魚くらいしか釣れずに
父親は早々と切り上げて、河内長野駅前の呑み屋に
行くことを楽しみにしていたと、今考えれば思います。
おぼろげに覚えているのが、割烹着姿の派手な化粧のママさんが居り、
平たい丸鍋で熱燗徳利をたくさん温めている焼き鳥屋さんです。
父は熱燗、わたしは楽しみのコーラ(家では母がうるさく飲めなかった)
で一緒に焼き鳥を食べていたようにおぼえています。
そこで初めて食べて衝撃を受けたものが、
「ずり」 でした。
独特のコリコリ感、あふれるジューシー感、
子供ながらに感動し、ひとりで3本くらいぺろりと平らげて
店のママさんも笑っていたように思います。
後年、自身で焼き鳥屋さんに行くようになって
東京では砂肝の名前で、普通のメニューであることを知り
少年時代のおいしい思い出とつながりました。