チャンピオン同士の4団体統一タイトルマッチは、WBC.WBA.IBFの覇者井上尚弥が11RKOでWBOチャンプのポールバトラーを下し、史上9人名の完全統一を成し遂げた。

 試合は、タイトルホルダー同士の統一戦らしからぬ一方的な展開。なんとしてもKO負けを回避すべく逃げ回るバトラーに対し、あの手この手で硬いガードと速いステップに対抗し、ガードの上からの強打でダメージを蓄積。見事、フィニッシュに至った。

 4団体のベルトを、1本ずつ、全てKOで統一した選手は井上が史上初。また、バンタム級の完全統一も史上初の快挙。リング上では、4団体のベルトを返上し、スーパーバンタム級にチャレンジする旨を宣言。バンタム級は戦国時代へ、スーパーバンタム級は、井上の参戦で、最もホットな階級に様変わりを余儀なくされよう。

 試合を振り返ると、11Rまでかかった最大の要因は、1ラウンドの井上の強打に尽きる。バトラーとしては、ガードをもってしても効かされるパンチ力に、プランが崩された感は否めない。徹底して逃げる相手を仕留める高度な試合を披瀝した井上尚弥。今後、更にホットな話題提供の主として、世界の中心での大活躍を期待したい。