まずは、非礼をお詫びしたい。
村田選手の戦闘力を低く、ゴロフキンのポテンシャルを高く見誤っていた結果、早い回でのゴロフキンKO勝利を予見していた。
筋量を増やし、鎧をまとったゴロフキンであったが、キレ、精度、スタミナ共に全盛期とは程遠いものであった。一言で言えば、加齢が成せた技か。一方の村田選手は、さながら全盛期のデジャヴの展開を見せられているようなスタートだった。世界選手権銀、ロンドンオリンピック金を為した村田選手の武器は、一にも二にも、左の払うようなボディブローであった。世界の強豪たちが、村田にボディをえぐられて、急速に失速する。そんな姿が、昨夜の1から3ラウンドまで、再現された。強豪のパワーショットを被弾してきたゴロフキンの経験値がなければ、倒れていても不思議ではない。
たられば、を言おう。
6.7.8ラウンドとゴロフキンが攻め入ってきたときの打ち終わりに、あの、左ボディを返していれば。そこで動きが止まったゴロフキンに、右ストレートと返しの左を決めて入れば。さらに、左ボディ、右ストレートと行けば、間違いなく村田選手は史上初めて、ゴロフキンをマットにはわせたスラッガーとして後世に名を刻したであろう。
お疲れさまでした。
夢を見させてくれて、ありがとうございました。
いまは、しばし、戦士の休息を。