※ドネアvsウバーリーの試合を見直してみたら、ドネアの致命的な欠点を発見。2021/6/13
 

ドネアは38才にして階段を上がっている。

何故か。

経験でしか体得できない、パターン認識を身体に刷り込み続けているからだ。

これなら、経験を積めば積む程、必勝のパターンを複雑化し、研ぎ澄ますことができる。

 

相手がオーソドックスの場合の、左フックと右ストレート。

左フックは、左を出させ打ち終わりに当てるパターン。

下がりながらのカウンターの左フックは、2007年の対ビック・ダルチニアン。相打ちの打ち終わりは2011年のフェルナンド・モンティエル戦がシンボリックだが、井上尚弥選手との対戦時は、さらに自らプレスをかけ、ボディフェイントを入れて手を出させて振り終わりにスマッシュ気味に、ビックショットを当てるという進化ぶり。

右ストレートは、左をスリップして右。2015年12月のWBOスーパーバンタム級王座決定戦でセサールファレス相手に1Rから多用して以来、磨き続けたパターンで、特に自分よりリーチの短い選手には圧倒的に有効。井上尚弥選手にもビックショットを当てている。

 

相手がサウスポーの場合は、右ストレートから入る。苦し紛れのパンチの打ち終わりにフックまたはストレートのカウンター。ウバーリーの3Rは、苦し紛れのアッパーが恰好の餌食となった。4Rは対井上戦で見せたスマッシュ気味を更にアッパーに近い角度で仕留めたブロー。進化もここまで!というところ。

 

怖さは、はめて当てる、その、はめ打ちにある。ミスショットオンパレードのボクシングという競技にあって、特定のシチュエーションに相手をはめて、その2つ3つに的を絞ってパンチを繰り出せば、10に2は当たってしまう。事実、対井上尚弥戦は見事にはめたが、反応が幾ばくかの威力を削ぎ、結果としてKOには至らなかった。そして恐ろしいことに、井上尚弥選手も、この、はめ打ち能力には恐ろしいほどの定評がある。

 

次戦はドネア選手はさらに、ハイリスク・ハイリターンを狙ってくるだろう。

距離、反応、打点、速度。

凄まじいミックスアップが期待される。