WBAミドル級タイトルマッチ12回戦は21日、米ラスベガス パークシアター行われ、同級3位の指名挑戦者ロブ・ブラントが、ほぼフルマークでチャンピオン村田諒太をコントロールし、3対0の判定で新チャンピオンに輝いた。

退路をふさがず追い足にジャブを被弾。ワンツーをガードされ打ち終わりに三つパンチをまとめられる展開。足を止めての打ち合いも精度と回転で分が悪く、一方的な展開に。
ミドル級のビッグスリーも同様に速くパンチ力はブラントを上回るため、村田に対するミドル級戦線から脱落の印象は拭えない。キャリアの限界を露呈した敗戦となった。

オリンピックにおけるボクシング競技のラウンド数は3分×3。12ラウンドを闘うプロボクシングと比して、前者を100m走、後者をマラソンと例えるが、この例えは現在、過去の遺物と言わざるを得ない。事実この試合も1ラウンドから飛ばしたブラントがペースを握りコントロールを重ね主導権を渡さなかった。
村田諒太こそ正にアマ時代、この100m走で頭角を現した。ナックルパートの厚いアディダスのグラブをしても、1ラウンドから一撃必殺のボディを強打し、それを出し惜しみせず、世界の頂点に登り詰めた。
今はプロの第一線に必要なクオリティは、それを12ラウンド続けるタフネスとマインド、そしてコントロールだ。それを行っていれば、今回の試合も凱歌は村田に揚がっていたことであろう。それが村田の得手であり特筆だ。そこに立ち帰れない限り、継続の意義は見出だせない。
ディフェンス力がない反面、圧倒的なオフェンス力を誇る村田復活の鍵は、トレーニング、マインド、プランのその全てを変えられるか、でありそれが出来なければ道は閉ざされることになる。

願、再戦。