やっと読めました、『認知症世界の歩き方』。
認知症のある方が日々体験している世界を「認知症世界」の旅路に見立て、スケッチと旅行記の形式でわかりやすく紹介する画期的な本。
一般の方へのオススメは、たくさんの方がシェアしてくれているので、私は仲間である医療福祉従事者さんやその卵である学生さん向けに感想をシェアしたいなと。
本の中に、認知症とともに生きる世界では
●偏見や先入観から心ないことを言われてしまう
●何もできないと思われてしまう
そんな「社会的障壁」に直面することで、傷つき、つらい気持ちになることもあるでしょう。
という一文が出てきます。
4つの社会的障壁
◎字を書くことが難しいのに、銀行で自筆サインを求められるといった【形式的対応の滝】
◎徘徊すると決めつけられ、部屋を施錠されるといった【ステレオタイプの岩】
◎トイレを失敗しないようにと、近くで見張られるといった【過小評価の谷】
◎仕事中、作業に時間がかかってしまったとき、さぼっていると非難されるといった【無知の沼】
認知症の方とお付き合いするにあたり、「良かれと思って」「ご本人のために」「安心・安全を守るため」【ステレオタイプの岩】や、【過小評価の谷】を作り出して、ご本人の旅路を邪魔してはいないだろうか・・?
日々認知症の方と専門職として関わる機会がある人にとっては、自身の関わりを改めて捉え直す本になるのではと感じました。
その視点に立って13のストーリーを読んでいくと、「そうだったのか!」きっと新しい発見がたくさんあると思います。
学生さんにとっても、「認知症の人の立場に立ってって先生はよく言うけど全然わからない・・」と言う悩みを少し解きほぐしてくれる本になるのではと。
(老年看護学の先生方に、ぜひオススメ図書として紹介して欲しいな〜)
noteでの無料公開もありますので是非是非ご一読いただけたら嬉しいです
https://note.com/iplusd2020/n/nf44ce2801ad7
最後に、「認知症世界の歩き方」発刊に向けて尽力くださった皆様へのリスペクトが止まりません