今日は、暖かい。
なので、弁当配達の時も当然・・・
(--)
・・・とまあ、認識に温度差があったりするワケなんですが。
サトモ 「今日は家の中(日陰)の方が意外と寒いです~」
おばあさん 「そうなの?今日はまだ外に出てないのよね」
・・・そう、この返答がとても多い。
持病や痛いところがない人でも、ゴミ捨て以外出てない人もいる。
いつの間にか、外出しない生活に慣れてしまうのだ。
実は、北海道は「冬」がネックになりやすい。
雪道滑るからね。
「転んで骨折って入院したのがきっかけで弱った」
ここを高齢者は恐れている。
なので、冬はなるべく外出は控える。
春は?
確かに今年の春は寒かった。
「寒い日に外に出て、風邪ひいたのがきっかけで・・・(略)」
これもコワイ?らしい。
・・・確かに風邪ひいたら困るけどねぇ。
大事にしすぎて、かえって病気になるかもよ。
(--;
やきもき、やきもき。
一応、みんな「外に出なきゃ」とは思っているらしく、
「外に出なきゃだめだね~」と水から口にする。
サトモ 「今日は温かいですよ、散歩日和ですよ~♪」
度々、うながす。
でも、出ない。
(==;
秋には真っ直ぐだったおばあさんの腰に75°の角度がついた。
前かがみの方が楽なんだそうだ。
お弁当の容器を回収すると、中には先週金曜日のおかずがそのまま。
ついに、お弁当を食べ忘れちゃった・・・。
(--;
これじゃ、痴呆になっちゃうYO!
・・・いかん!
このまま健康な人が痴呆になるのを見ててはイカン。
・・・とゆ~ことで、勝手に 「外へ行こう」キャンペーン を
開催してみた。
ま、話はカンタン。
とにかく、外に関心を持ってもらう。
暖かい日は「散歩日和」を告げる。
そこのお宅の庭の花が咲いたら、「咲いた咲いた」を告げる。
近所の店の話をする。
そんな中で成果があったのは、自分の体力の衰え話をしてみること。
サトモ 「・・・というわけで、『筋力』衰えるとやっぱダメですね~」
I倉さん 「それはあるわ、筋力必要よね」
サトモ 「足腰悪くても、筋力で結構補えるって言いますよね」
サトモ&I倉さん 「ホント、筋力は大事よね~」
サトモ 「歩くの大事らしいですよね」
I倉さん 「そうよね、歩かなきゃね」
サトモ 「そうそう・・・筋力!筋力!」(足踏み)
I倉さん 「そうだわ、筋力!筋力!(笑)」(足踏み)
I倉さんはこの後、外出するようになった。
よかった・・・。
もう1人なんとかしなきゃいけない人がいる。
冬の間に足腰の曲がってしまったさわさん。
別に足腰に病気はない。
なのに家から出ない。
最近会話が痴呆ちっく・・・。
めっちゃ優しいばあちゃんなので、なんとかしたい。
「筋力」話もしたが、まだ出ない。
・・・ううむ。
(--;
ある日、放置された庭に、遊びに来た娘さんがベコニヤを植えてくれた。
他にも鉢植えが買ってあった。
なかなかキレイだ。
弁当届ける度にその花を眺めながら話していたのだが、
サトモ (むむ・・・花に水をやってないのでは?)
(==)
明らかに土が乾いている。
花に潤いがない。
サトモ 「そろそろ、庭のためにはひと雨降ってほしいですね」
さわさん 「・・・この花、なんか水やらないとダメな感じだね」
サトモ 「・・・ちょっとそんな感じですかね」
さわさん 「あっちも上げたほうがいいね」
庭に咲いた花も指差す。
・・・そうです!
庭はおばあさんのお世話を待ってます!
それから、おばあさんは変貌を遂げる。
次の週、弁当届けに行って、おどろいた。
長靴に、農作業帽子、ハサミを手にしたおばあさんが庭にいた。
![サトモの急に生まれたブログ(笑)-変身したさわさん](https://stat.ameba.jp/user_images/20120602/23/satomo-t/41/63/g/o0320032012007371800.gif?caw=800)
ぶ厚いセーターから、ジャンパー姿になった。
進歩だ!
「このツツジは、あっちと同じ木なんだけどね・・・」
庭でイキイキとした笑顔のおばあさん。
足元に『植える時期がちょっと遅れてしまった』球根が並んでいる。
娘さんの植えたベコニヤも水をもらって元気だ。
次の日、重そうにしだれていた牡丹の木に、支柱が付けてあった。
「もう少しで牡丹が咲くね」
「私が次来る時に咲いてますかね?」
「どうだろね、咲くかね?」
「咲いてるといいなぁ」
愛情かけたから、きっと良い花、咲かせてくれるでしょう♪
揺れる木の葉と、せっせと働くおばあさん。
どこからか薫るライラックの花の香り。
水滴で光る赤と白のベコニア。
・・・ああ、外はいいねぇ。
そんな北海道の5月の終わりの話だ。