毎日毎日、時間が過ぎるのが、ものすごく遅い。

私の場合は、仕事をしていないので、家にいるしかなく、気持ちが逸れる瞬間が全くないのも要因の一つだと思う。


「働かなくていいなんて、なんてしあわせな!」
「感謝しなさいよ、その環境に!」
「好きなだけ寝られるその生活が、羨ましくて仕方ない!」


こんな言葉をどれほど投げかけられたことか。

確かにその通りなのかもしれない。
今、この瞬間だけを切り取ってみれば。

この言葉を出した人達に、私の苦しみなんて絶対にわからないだろう。

夫が突然居なくなる前日まで、自分でもこんな環境になるとは予想すらしていなかった。

何となく不安はあっても、毎日頑張る事で、未来を築いていけるのだと信じて、自分を奮い立たせていた。

突然に、生きがいも生きる希望も、すべてを失い、抜け殻同然に、ただ息をする毎日に、この環境を感謝する心が持てるほど、私は出来た人間ではない。

むしろ、全財産と引き換えでも、夫が帰ってくるなら、迷わずその道を選ぶ。


背の高い神父様の前で誓った言葉は、偽りだったの?
健やかなる時も病める時も、愛し抜くと、誓ったのに。


こんなに恐ろしく長い時間は要らない。
ただただ、夫と一緒に居たい。逢いたい。
もう一度、あの笑顔が見たい。