あっというまに12月。 寒くなりました~
これは書かなきゃ!と思っていたのに一週間も経ってしまいました。
チケット購入から楽しみにしていた、珍しい企画。国立能楽堂企画公演 組踊上演300周年記念 『能と組踊』。鑑賞してまいりました。
両日とも拝見したかったのですが、金曜日は予定ありで、見たのは 組踊「銘苅子(めかるしー)」と 能「羽衣」。
どちらも羽衣伝説を題材にした作品です。歌舞伎にも日本舞踊にもなっている有名なお話。
伝説ですから日本各地にいろいろなパターンが存在するようです。
能の「羽衣」では、漁夫が美しい布を見つけ持ち帰ろうとすると、水浴中だった天女が現れて羽衣がないと天へ戻れないので返してくれと頼みます。あまりに嘆くので天女の舞を見せてくれたら返そう、と漁夫が言うと、天女は羽衣がないと舞えない、と。先に返したら舞わずに天に上ってしまうのではと漁夫が疑うと、「いや疑いは人間にあり。天に偽りなきものを」という有名な言葉を天女は返します。恥じ入った漁夫が羽衣を返すと、天女は舞を舞ってやがて天に上っていく、、、というストーリー。日本舞踊も、同じ筋書きです。
「銘苅子」は、やはり羽衣を取られてしまった天女が、男・銘苅子(「銘苅」という地の男の意味)の妻になり、姉弟二人の子を生しますが、ついに羽衣の隠し場所を知り、子供との別れに涙しつつ天に戻っていきます。そこで終わらず、残された子供たちが天女の母を探しまわってる噂が首里城まで広まり、子供たちは城で育てよう、父親の銘苅子も位を賜りめでたしめでたし、、、となります。
ちなみに、天女が羽衣を松にかけて水浴びしていたといわれる「天女の泉」が、那覇市に残っているそうですよ!
能では、舞が見どころの一つで、ストーリーはエッセンスのみと言っていいくらいシンプルです。漁夫も意外と素直だし(笑)
組踊では、見どころは子供を案じて思い悩む天女の独白。そして母を探す姉弟の健気な様子でしょうか。能よりもう少し人間臭く、母子の別れは涙を誘うし、銘苅子も子供の様子に心を痛めたりします。
ところで、この組踊。能舞台でどう見せるのか、興味がありました。
能では地謡がならぶ場所に、笛・胡弓・三線・箏・太鼓がずらり。
そして、笛から始まるのは同じ。銘苅子が登場し、名乗って羽衣を見つけたところで楽器が鳴ると、途端に 沖縄~~~
すごいですね!音楽の力って。楽器を見て、装束を見た時点で、「ああ、沖縄だな」と頭ではわかっていたのですが、ベンベンベンと三線の音と歌が始まったとたん理屈も何もなく「ここは沖縄~~」。沖縄、、といいますか琉球に包まれました。。。
セリフ(唱え)は沖縄の古語で、聴いただけではほとんど理解できません。プログラムの文句と訳を確認しながら鑑賞しました。
同じ旋律が繰り返されますが、その中に微妙な抑揚があり、しっかり感情が伝わってきます。
紅型の装束もとても美しい!そして、天女も子供たちも赤い足袋!!この赤い足袋がとってもチャーミングで真似したくなりました 紅型も華やかだから合うのでしょうね。
ずいぶん昔の話になりますが、1990年代、私は友人と毎年のようにせっせと沖縄に出かけておりました。先日火災にあった首里城が完成した時のこともよく覚えています。本島は北から南まで、さらに八重山諸島全島踏破しようと張り切っていました。が、2000年になってからはすっかり遠ざかってしまいました。
その後「国立劇場おきなわ」もできましたので、いつかどっぷり集中して組踊を観たい と思っていました。
今回、「能と組踊」という思わぬ組み合わせで拝見して、その思いも再燃
比べて見ることで、組踊も能も、それぞれの特異性が際立って、なかなか面白い企画でした。またやってほしいな
◆◆◆今後のライブ予定◆◆◆
2019年
◆12月18日(水) 銀座『シグナス』 Christmas Live 19:30~ MC 3000円
Pf.藤野聡 B.小高正志 Ds.中沢剛 Vo.馬淵聡子
2020年
◆1月24日(金) 関内『よいどれ伯爵』 19:30~ MC 3000円
Pf.藤野聡 B.小高正志 Vo.馬淵聡子
こちらも見てね→ショコラ・プラスのホームページ