楽しみにしていた国立能楽堂の定例公演に出かけましたニコニコ

 

 狂言・大蔵流『吹取』、能・観世流『蟬丸』 です。

 

 

 「蟬丸」といえば、百人一首の「これやこの~」の句。うねるような言葉の並びで、真っ先に覚えた句の一つでした。皆覚えるので、競争率の激しい札でもあります。

 坊主めくりをすれば、最強のババ札トランプジョーカー 頭巾をかぶった蟬丸の絵も強烈なインパクトがありました。

 

 この蟬丸、今昔物語集や平家物語にも書かれていますが、実は皇子であるとか、盲目であるとか、琵琶の名手とか様々な言い伝えがあるものの、実際に正確なことはわかっていません。

 

 能の『蟬丸』では、盲目のため逢坂山に捨てられる皇子(醍醐天皇の第四皇子)ということになっています。

 蓑も笠や杖も、和歌から得た知識としてしか知らず、見かねた博雅の三位(はくがのさんみ・蟬丸のもとへ通って琵琶を習ったと伝えられています)に拵えてもらった藁屋に一人寂しく住んでいると、第三皇子である姉・逆髪(さかがみ)が通りかかります。シテの登場、つまり主役はこの姉・逆髪なのでした。

 このお姉さんも捨てられた身。髪の逆立った狂人となって、放浪しています。藁屋から漏れ聴こえる琵琶の音を弟のものと気付き、姉弟は再会するのですが、やがてまた、逆髪は蟬丸を一人残して去っていく…というお話。

 

 物凄い設定ながら、何も起こらず、嘆きはしても、怒らず、抗わず、何も解決せず。ただ嵐の中の一時の静謐さを感じさせるような作品です。

 

 作者不詳ながら、世阿弥の作ではないかと言われております。謡の文句が素晴らしいキラキラ逆髪の、順・逆のあやふやさを語る言葉、蟬丸のホロリと心に沁みる一言…。叔母の謡本が役に立ちました!

 

 シテ・逆髪に、野村四郎さん、ツレ・蟬丸に、大槻文蔵さん。

 能楽界の重鎮による貴重な舞台を拝見しました照れ これからの私の人生において、何かの折にふとこの『蟬丸』の場面を思い出しそうな気がします。

 

 

 

 蟬丸の言い伝えについて、また「皇女」ではなく「第三皇子」となっている逆髪について、亡くなった梅原猛さんが『能を観る』で興味深い考察を述べています。わかりやすいので、能を知りたい方にもおすすめですウインク

 

 

 

 

◆◆◆今後のライブ予定◆◆◆

旗2019年

 

◆9月27日(金) 関内よいどれ伯爵 19:30~ MC 3000円

Pf.藤野聡 B.小高正志 Vo.馬淵聡子

 

◆10月5日(土) 原宿『アコ・スタディオ』 ~土曜午後のサロンコンサート

13:30 開場 / 14:00 開演

Pf.藤野聡 B.小高正志 Ds.中沢剛 Vo.馬淵聡子

チケット 前売券 3800円 / 当日券 4000円 (全自由席)

チケットのご予約承り中!

 

◆11月8日(金) 関内よいどれ伯爵 19:30~ MC 3000円

Pf.藤野聡 B.小高正志 Vo.馬淵聡子

 

NEW11月22日(金) 南越谷『wine bar LUZ』 ~ボージョレの夕べ

※詳細は決まり次第告知いたします

Pf.藤野聡 Vo.馬淵聡子

 

NEW◆12月18日(水) 銀座シグナス』  Christmas Live 19:30~ MC 3000円

Pf.藤野聡 B.小高正志 Ds.中沢剛 Vo.馬淵聡子

 

 

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