少し前の話になりますが、6月のはじめ、久しぶりに国立劇場へ出かけました。
親戚の娘さんが出演する縁で、毎年観に出かけている三味線の会、稀音家六綾さん率いる「希扇会」。今年で41回目だそうです。気のせいか、年々華やかになっているような。。
花柳の舞踊家さんたちも出演するので、いつも楽しみにしています。
出演者には東京大学と国際基督教大学の長唄研究会のメンバーも加わってかなりの大人数 舞台上にずらりと並ぶと迫力あります。それに若いパワーが眩しい~~
お目当ての娘さんは、すでに大学生たちとは一線を画し、堂々と落ち着いて三味線を弾いておりました。小さい頃から知っているので、立派に成長したな~と感慨に浸ったり、すごいなと素直に感心したり いやぁ、私も年取るわけだ。彼女がこれだけのものを身につける間に、私は何をしていたのでしょう??
話を戻して。
プログラムは、真面目に聴かせる演目もあれば、替え歌や、時事ネタを織り込んだ「つぶやき」など、笑いを誘う場面も。落語家さんが出の時に使う「寄席囃子」も面白く、邦楽を知らなくても、気楽に楽しめます。そして、全体を通してうっすらと「平家物語」がテーマになっていました。
でも花柳の先輩方が踊ったのは「女勧進帳」.。…たしか「平家物語」は昨年やりましたもんね、那須与一のくだりを
ご存知の方も多いと思いますが、「勧進帳」は、平家を滅ぼした立役者の義経が、頼朝に追われて奥州へ落ちる途中のお話。もとになったのは謡曲「安宅」。歌舞伎の演目の中でも人気の高い演目です。弁慶と義経、そして関守の富樫が主な登場人物。今回は踊り手さんが皆女性なので「女勧進帳」です。弁慶がなかなか魅力的で面白く拝見いたしまして、、、この時はまだ何とも思わなかったのですが。。。
数日後、今度は別の企画で日本舞踊の舞台に出かけたら、「吉野山」があり。。。こちらは「義経千本桜」から、静御前と義経の家臣、佐藤忠信…狐忠信、またの名を源九郎狐が、義経のもとへ向かう一場面。なぜ狐が出てくるのかの説明は省きますが、やはりまた義経さまなのでした。
義経にまつわる物語は古くから愛されていますから、かかる機会は多いとはいえ、なんだか義経づいてます。
来月の歌舞伎座では、海老蔵さんが「星合世十三團 ~成田千本桜」と題して、「義経千本桜」のおなじみの登場人物、上記の弁慶や佐藤忠信をはじめ13役を早替りで演じるそうですから、こちらも楽しみ。
ちなみに初代市川團十郎の演じた「星合十二團」が、「勧進帳」のもとになった演目。なんだかこんがらがってきますが、、、海老蔵さんの舞台は、義経に因んだこの人気の2演目を意識したものと言えそうです。
そして面白いのは、義経モノは、周りの人々が個性豊か、彩り豊かに描かれますが、肝心の義経はたいてい主役になりません。ひっそりと控えていることが多く、演じても楽しくなさそうです(笑) 少ない動きで、そこはかとなくカッコいい感を表現しなければならない、ちょっと損な役回りかもしれません。海老蔵さんの13役にも義経役はありません。(梅玉さんが演じます) さらに副題も「成田千本桜」と、「義経」の名はあっさり消されました
あくまで芝居の中での話ではありますが。。。弁慶をはじめ皆、義経をめぐってやんややんや大騒ぎするわけで、よーく考えると、どこがカッコいいのか、なぜ「判官びいき」といわれるほど愛されたのか、、、実態のつかめない義経さまなのでした。。。
◆◆◆今後のライブ予定◆◆◆
2019年
◆7月12日(金) 関内『よいどれ伯爵』 19:30~ MC 3000円
Pf.藤野聡 B.小高正志 Vo.馬淵聡子
◆8月22日(木) 銀座『シグナス』 Duo Live 19:30~ MC 2500円
Pf.藤野聡 Vo.馬淵聡子
◆9月27日(金) 関内『よいどれ伯爵』 19:30~ MC 3000円
Pf.藤野聡 B.小高正志 Vo.馬淵聡子
◆10月5日(土) 原宿『アコ・スタディオ』
※詳細決まり次第お知らせいたします
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