暑い、といっても少し秋らしくなってきました。
昨日は。
9月になったし、さっそく単衣の着物にしようか迷いながらも、
結局は浴衣持参で日舞のお稽古へ行ってまいりました。
初めて、この秋に控えている会で使用する音にあわせて振りの確認。
清元の、自由自在に伸び縮みする節まわしに悪戦苦闘いたしました
先生が見本にひとくさり踊ってくださったのですが、
まさに目からウロコ。。。
一つ一つの形は美しく、無駄な動きもなく、
振りと振りの間にも、きちんと気持ちの流れがあり、
踊りとはこういうものかと、改めて感じ入りました。
よく言う 「行間を読む」 の踊り版です。
考えてみれば、音楽も同じで
譜面通りにできるようになった、歌詞を暗記した、
で、その先をどうするかが大事になります。
譜面から忠実に再現するクラシックでさえ十人十色。
記載されている指示の合間、音符の間をどう読み取っていくのかがセンスの見せ所であり、個性になっていきます。
ジャズは特に、譜面に書かれているのは最低限の約束事のみですから、譜面通りでは音楽になりません。
自分なりの解釈、といいますか思いや考えを込めて、
うまくできれば説得力のあるものになったり、斬新なものになったり。
もちろん逆に、悪い癖が目立ったり、浅はかさを露呈する結果に終わることも。
自戒も込めて。
一般に一番なじみがあるはずのポピュラーヴォーカルに関して言えば。
歌とは誰でも歌えるもので、
ヴォーカルの基本とされるものが今一つ確立されていなくて、
その上、歌詞の行間を読みすぎるのか、
悪いパターンに陥る人が多い…多すぎるような。
感情を込めたがりすぎ、気持ちを演じようとしすぎ、などなど。
ある歌手の先輩は、しゃくりあげて音程を取る癖があり、
歌の先生に気を付けるよう指摘されたそうですが、
「ここに気持ちをこめているの」と改めようとしませんでした。
いや、気持ち伝わってないどころか、音が不安定だから
…と言いたかったのですが。
小心者の私は、他人の振りみて我が振り直そうと思ったのでした。
また、趣味で歌を習ってらっしゃる方ですが、
何の歌だったか、所謂スタンダードナンバーでしたが
「どういう気持ちで歌えばいいかわかりません」と。
そういうこともあります
絵にしたら風景画のような、「私」や「あなた」がいない歌だってあります。
歌詞の役目は感情表現だけではありません。
言葉遊びだったり、連想ゲームだったり、
旋律を浮かび上がらせるものだったり、
おもしろい音の羅列で独特のリズムを生み出したり、
「気持ち」以外にも、注目すべきポイントはたくさんあるはずです。
良いと思うポイントを生かすように、素の自分が楽しんで歌えばいいのではないかと。
ただ、音程やリズムが正確に取れていないと
聴いている方には、全く聴きどころのない歌になります。
音を外してもノリが悪くても、とりあえず伝わりやすい「何か気持ちを込めている感」 もないわけですから
よくジャズ・ヴォーカルでやるスキャットも同じ難しさがあると、私は思っています。
ですから、行間を読む前に。
まずは基本を正確に学びましょう
大切な事です。
というわけで。
思わず長くなりましたが
音楽から踊りに戻って。
昨日気付いたことは、一通りの基礎が身につかないと挑めないわけで、
今の私が不用意に真似るのは危険ですが、
これから稽古を重ねて、少しずつでも行間を表現できるようになっていかれれば
…と、決意を新たにしたのでした。
心も、身体も、素直に。
と言うのがキーワードでしょうか。
作り上げるのではなく、心の流れで自然に動くのが理想ではないかと感じています。
この気付きを忘れないように。
忘備録のつもりで長々書いちゃいました
最後まで読んでくださり、ありがとうございました