最後の審判について詳しく聞いてみる | 晩酌かあさん ちょっくらドバイってまいります

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2016年より夫の赴任帯同で、2人の娘とアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで駐妻生活中。 ドバイの暮らしや観光についてブログに綴っております。なかなか晩酌できない国で奮闘中☆

السلام عليكم
iPhoneでアラビア語がタイプできるようになりました

今日もアラビア語のレッスンだったのですが、
個人レッスンなので、先日のイスラム教とはなんぞや問答を半分くらいの時間、していただきました。
エジプト人の先生は敬虔なムスリムで、
「こんなこと聞いても大丈夫かな?」というおバカな質問にも快く答えてくれます。

イスラム教徒は、最後の審判で天国に行かせてもらえるよう
ストイックに教義を守って生きます。
「最後の審判」はゾロアスター教を恐らく起源とし、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教に共通する概念です。
ミケランジェロの絵でも見たことがある…
でもこの死後の世界感がよくわからないので、聞いてみました。

コーランも未読ですし、あくまで私の現状の理解、ですが
先生のお話をまとめるとこんな感じ。

人は死ぬと、最後の審判の日までお墓の下にいます。
最後の審判はいつ来るかわかりません。
明日かもしれないし、200年後かもしれないし、もっと先かもしれない。
つまり2000年前に亡くなった人は現在に至るまでの2000年、
ずーっとお墓の下で待っているわけです…ご先祖様ほど損…?ガーン

といっても、ダメな人々は待つこともできません。
人間が死ぬと天使がやってきて、3つの質問をします。
確か、神を信じるか、あなたの信じる預言者は誰かとあともうひとつ…
ブッダはイスラム教では神と見なされず、賢者だけれどあくまで人、なので
仏教徒はまずここでアウト、即地獄行きですガーン
といってもそこまで厳しいわけでなく、
要は信仰心があるかどうか、というところが大事なんだとか。
イスラム以前の人々は、神に畏怖していたかどうかが判断されます。
イスラム教徒として敬虔に生きるという選択肢がありながら、そうしなかった、という場合が問題になるそうです。
このあたりで既に引っかかりがありますが、とりあえず先に進みます

ちなみに人間以外の他の動物は皆、天国にいきます天使
認知症ですべて忘れてしまった人や幼子など、責任能力のない人々も天国にいけます。
アラブの世界では、ジンという精霊の存在が信じられていて、
ジンも人間と同じように善悪を判断されます。
(ディズニーの『アラビアン・ナイト』のジーニーはこれ由来ですかね)

さて、3つの質問をクリアすると、最後の審判までのウェイティングになります。
徳の高い人には、素敵なレセプションルームがあります。
生前の善行に応じていくつかの快適なお部屋が用意されていて、その中で待っていられます。
普通の人は、お墓の下です。

そうして最後の審判の日、神による裁判を受けて、天国か地獄行きかに仕分けされます。
天国でもまた、善行に応じたランキングがあるそうです。
例えば誰かに殺されて、殺人者がその罪を悔いていたとします。
神に「あなたを殺したこの人を許しますか?」と問われ、許してあげるとダブルポイントがもらえます。…うーん、なんだかな…
最後の審判の日以降は、決められた場所で未来永劫暮らします。

でも、これで天国に行けたとして、本当に幸せなんでしょうか?
例えば自分が天国に行っても、自分の子どもが地獄に落ちてしまったら、未来永劫悲しい思いをするのでは…?
それを先生に聞いてみました。

先生曰く(以下、先生ハリネズミバイキンくん
ハリネズミ「行き先が別れても、もう2度と会えないわけではありませんよ。
天国から地獄にいる子どもの様子を見ることができます」
バイキンくん「!それはますます辛くありませんか…?」
ハリネズミ「辛くはないですよ。最後の審判のときに見える地獄の様子は本当に恐ろしい
たとえあなたの子どもが『お母さん、助けて!』と泣きついてきたとしても
悪魔が恐ろしすぎて、子どもに手を伸ばす余裕などありません。
あなたの親も同じ、他人に構うことはできません」
バイキンくん「うーん…冷たいような…。ムスリムとして生きるにはタフでないといけないのですね」
ハリネズミ「そうですよ、大変です(笑)
それから、イスラム的な考えでは、そもそも子を地獄に落ちるように育ててはいけない。」
バイキンくん「それはごもっとも!(^^;;」

その他、身体と精神はまったく別のものであること、
胎内にいるときに神が生まれた後の人生を映画のようにして見せてくれるので、デジャヴが起こること、
人類は神が最初に泥からアダムを作り、寂しくないようにとアダムの肋骨からイヴを作って、
恐竜が絶滅した後の地球に、他の生物とともに送り込んだので、進化論は受け入れられないこと
なども話してもらいました。

ここまで聞いて、イスラムの人々はすごいな、と改めて感心しました。
物凄い個人主義であり、自分の行いにとにかく責任を持って生きるわけです。
最後の審判まで、自分を律しようと思えるのがまずすごい。
イスラムでは学ぶことも徳とされ、発祥以来、男女問わず
私はそんな先のことまで見据えられません。
ま、先のことはいいか、飲んじゃおうってなる(笑)
うちは浄土真宗で他力本願、南無阿弥陀と唱えればなんくるないさ~と、自堕落です(^▽^;)

ただ、批判なぞするつもりではないのですが、
未来永劫天国にいる、というのも幸せに思えないのですよね。
だって人生を面白くしてくれるのは「変化」ではないですか。
季節の移ろいだったり、自身の変化だったり、
諸行無常であることが生を豊かにしてくれる、という感覚があります。
天国は美しいかもしれないけれど、未来永劫そこにいるってのはどうなのかなあ…。

日本のような四季の変化の大きい国と、砂漠や荒野で生きる人々との違いでもありましょうか。
心と体もやっぱり分離して考えにくいしなあ…。

勤勉なムスリムと比べると、日本人は享楽的だなあと思いつつも、
なんだか逆にその良さも感じてしまった気がしました。

それで地獄に堕ちるのかもしれませんが(笑)