大津波  

   浄土ヶ浜に    

     降ろしけり

 

    むかしむかし  海鳥たちが遊んでいたよ            昔々・・・

     今はいま  天使たちと遊んでいるよ 

    むかしむかし  青くあおい海原越えて  

    海鳥たちが遊びに来たよ  

      あおく青〜い浄土ヶ浜に   

      あおくあお〜いこの浜に・・・

 
 ミコトさまの統メロぐ(すめろぐ)🗾日出る国に於かれては
古来より万代(よろず)未来永劫、治める者の波動と
国の波動との調和が重んじられている。
 
 これ 神国の宿命なり。
 
       ーー千年紀の昔、
       おどろおどろし貞観大津波の折、
       天上は その不徳を認めた、という。
 
   然(しか)れども然(さ)れども
   時を越え 多くの民がそのことを忘れ怠り、
   鈍カンナオトコを立てたが故、
 
     大地も大洋も、天の原までもが、
     比類なき響き、著しい不調和を感じつつあった。
 
  日月経て、
  春を遠く近づく頃よりの不穏の堆積に次ぐ堆積の後。
 
  ーー七日余りで彼岸というその日、突如として
 

        大地が 唸り(うなり  

       海原も心底吹き出すが如くもんどりうち 

       蝦夷の地より遥か出雲の大地にまで うめき

       とどろきのめり込んだ。

 ーそれでも尚
 気づかぬ鈍感なる為政者。
 
    高天原の流れをくむ
    ミカドのみがこころ密かに気づかれた。
 
  スメロギノミコトは 病身をも顧みず
  神速
  民の下へと行脚(あんぎゃ)される。
 
 
        おっほおぉぅ・・・
        八十隈坂(やそくまさか)の先の
        浄土ヶ浜か。
 

 

   ここらで降ろすか。  幾ばくか、肉の終着。  

   いやいや、  すぐ時の経つ間にも、  

   夥しい(おびただしい)数の魂の終着  或いは帰天

   或いは停車か。  

   みるみる大津波   浄土ヶ浜に下ろしけり      

 

    亡き亡き亡き    

    亡き亡骸を  

    幾百幾千 亡骸を

    みるみる  見る見る降ろしけり 

 

    打ち上げられたる亡骸は

    その数終(つい)に なんという恐ろしや

    壱万越ゆとも終わらずや❗️

 

    それが何であれ 

    億万魂が ここかしこに 亡骸打ち下ろし。

    輝く彼岸に旅立っていく。

 

    。。。黄金に輝く蝶🦋の大群さながら 羽を広げ 

    或いは、幼虫のまま 古(いにしえ)の 

    安徳天皇のように幼な子のままに。

    

        幾百幾千 魂の 

        幾百幾千 亡骸 降ろしけり 

 

   見る見るみるみる 幾百幾千 幾千幾百の 

   南無妙億万魂 南無阿弥陀仏の幾百幾千。。 

   

       おっほぉぉぅ、打ち上げられたる 亡骸 

       亡骸 亡骸 ・・・

       大波は 

       浄土ヶ浜に 壱万肉魂下ろしけり 

 

  祓い給える 

  スメラミコトの祈りばかりが

  虚しく 青海原に か細く 

  か細く 消えてゆく。

 
 
                     ・・・・・つ・づ・く・・・・・・
 
 
 (info:これらをYouTuberさんが朗読したものもあります⇩
  <<愛わ時空を恋え>> #4 朗読 関根俊和 原作サトピー 以上 YouTube )