鈴白さとです。



先日、とあるお勉強会でのことです。


お仲間の生徒さんが、


「モクチョーをしています」と会話のなかでおっしゃるのです。


「??モクチョー」



木彫りのことでした。


身の回り品で彫り物が施されているのが


あります。


私も手鏡や、小物の引き出し、鎌倉彫りです。


いつか習いたいと思っていた、それかと


身を乗り出しました。



ちがうのです。


仏像彫刻でした。


丁度その日、お稽古がこの後あるとかで


荷物の袋から取り出し、見せてくださったのです。



厚手の紙箱から、不織布に包まれ


お正月のお鏡くらいの大きさでした。



それはそれは綺麗なお顔立ちの仏さまでした。


檜を使ってますから、爽やかな風情です。


弓張りの眉に切れ長のたっぷりした目元


知性溢れた唇。



お顔は、親指の大きさです。


半跏思惟像?



展覧会でプロの作品を見るより


身近な方が彫った小さな作品は


ちょっとした感動をいただきました。



伺うと、10年習っていて、この作品は二年半目だそうです。


両肢はありました。


両手、両腕は、まだ別に製作中です。


年単位、は生半可な根気ではありません。



作り手の気持ち、心の在り方があらわれるのでしょうか。


製作のお勉強仲間は、美人タイプですが、お話されるときは、目に

生き生きしたものが宿りエキゾチックなお顔立ちの持ち主です。


毎日同じことの繰り返し繰り返しって

実は、心の砥石のような働きをすることもある

それが稽古の神髄?


昔読んだ菊池 寛の「恩讐の彼方に」を


フト想いだしました。