なぜ今の時代に弓で狩猟をするのか?
現代の日本では残念ながら弓で鹿を狩るのは違法です。アメリカでは開国時代から常に弓は狩猟の中心にありました。自分が使っているのはコンパウンドボウです。弓の両端にキャムという滑車が付いており、80-85%の力で(引いたまま)保持できます。因みに自分が使っているのはMathewsのVXRという弓で、引きの重さは60ポンドにセットしてます。
でもなぜ弓なん?理由は、
- その難しさ。そして鹿を獲った時の達成感。たまりません。難しいことを敢えてやり達成するのは気持ちええもんです。日ごろから鍛錬した技術で鹿を射る。心臓バクバクを抑え、呼吸を整え、リリース。銃で撃つのとは全く違う緊張感です。
- シーズンの長さ。日本とは違いアメリカでは狩猟期を弓とライフル/ショットガンで別けています。ロングガンと比べ弓は期間がかなり長いです。それは弓のほうが捕獲量が少ないから。ペンシルベニア州では大体以下のスケジュール;
- 9月解禁 弓のみ
- 10月 弓
- 11月 2週目からロングガンOK、弓もOK
- 12月 後半は弓のみ
- 1月 一部を除き弓のみ
てな感じで弓の期間長いですよね。逆に言うと銃の期間が
日本に比べめちゃくちゃ少ないんです。
3. 肉の損傷が少ない。鉄砲で撃つとインパクトも強いんで、
撃った 箇所の肉がダメージ
が大きいです。弓は矢じりが通るだけなんで損傷はかなり
少ないです。
では不利な点は?
弓の不利な点は射程距離ですよね。ライフルやショットガンのほうが遠くから撃てるし。ごもっともです。ライフルやショットガンの射程距離は弓とは比べ物になりません。一般的にコンパウンドボウの効果的射程は30yd(27m)以内って言われてます。実際に30ydを超えると統計的に半矢(致命傷ではなくケガさせてしまうだけ)の可能性が高まります。倫理的なハンターとして一番避けないといけなのが半矢です。命を獲るというのはそれなりの責任が伴うと思います。
射程が短いので鹿にできるだけ近づかないといけません。これは忍び猟をやられた方なら知ってますが簡単な事ではありません。弓で忍び猟をするのは並大抵の技術ではできまへん。
そこでアメリカで主流になったのが木に登り待ち伏せする猟法です。あらかじめ鹿がよく通る場所などを調べておいて(スカウティング)木に登ります。登る高さは人それぞれですが自分は20mほど登ります。そこへ歩いてきた鹿を弓で撃つんです。
次回は実際にどのように木に登って狩猟するか書きます。


