堂場さんの得意分野のひとつがスポーツ小説。
そして本作品は「日本人初のオールブラックス」というから読まない訳にはいかない!と期待してほぼ一気読みしました。
尚、本作品は初版が2025年10月と新しいので、
ネタバレにご注意ください。
概要は出版元の東京創元社から引用します。
ラグビーにおける「フルハウス」とは、1試合で同じ選手が、トライ・コンバージョンゴール・ペナルティゴール・ドロップゴールをすべて決めることを言う。
本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン・早見剛大の物語である。2027年ラグビーワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。
かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突!ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤…自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。
ちなみに、1/2に行われたラグビー大学選手権の準決勝で
早稲田SOの服部は、一回蹴ったコンバージョンゴールを
決めていればフルハウス達成でした。
試合を振り返るとこんな↑感じ。
早稲田のゴールキッカーは主将の野中(CTB)なので、
服部はキックのチャンス自体が少なかったみたいです。

”筆者自身がやっていた”というところに説得力はあります。そして、それが故に試合の迫力ある描写には”さすが”と思いました。
以降、印象的だった箇所です。
その国の代表選手になるための条件が本書の中にもキチンと説明されてました。
①本人が当該国で出生。②両親または祖父母のうち1人が当該国で出生。③本人が直前の60カ月以上、当該国のラグビー協会またはクラブに継続して登録。④通算10年居住・・・
などのうちどれか1つを満たせば、国籍に関わらず当該国の代表資格を得ることができる。
他のスポーツと違って「国籍主義」を取らないのは、ラグビーが大英帝国生まれのスポーツという背景があるからである。植民地出身のラグビー選手が、どこの代表になるかを考える場合、国籍ではなく居住地を基準にした方が公平だ、という考え方から来ているのだ。

堂場さん、ご説明ありがとうございます!
主人公の早見がジムで友人となった元クリケットの選手キャンベルとの会話が興味深かったです。(前略)キャンベル「そこで私は、昔の私を観たような気がした。私がなれなかったものに、君はなれるんじゃないかな。ただし、何か売り物を作らなくてはいけない。君の場合、キックがそれになると思う」
早見「やってみます。僕はもっと先に行きたいんです」「具体的には?」「オールブラックス。そしてワールドカップで勝って、エリスカップを手にします」キャンベルが一瞬黙り込む。しかしすぐに、重々しい態度でうなずいた。
「分かった。だったら私は、やらざるを得ない」「どういうことですか?」「この国で、オールブラックスを目指すという若者がいたら、周りは全力でサポートしなければならない。
それは暗黙の了解だ。そして君には、オールブラックス入りできる実力がある。私はそれを伸ばしていきたい。私の代わりにオールブラックスで頑張ってほしい」・・・オールブラックスって、そういう存在なんですね。ニュージーランドの文化を垣間見た気がしました。

物語では早見の高校時代の相棒がジャパンの中心選手として、立ちはだかります。(前略)「お前がよほどすごいことでもやったら、見直してやってもいいけどな。例えば、今度の試合でフルハウスでも達成してみろよ。
オールブラックスみたいにレベルの高いチームでフルハウスができるようなら、お前の腕は本物だ。オールブラックスの一員として馴染んでいる証明にもなるだろう。やってみろよ。それができれば、俺は頭を下げに行ってやる」

僕は30年来のラグビーフリークですが、失礼ながらラグビーにおけるフルハウスという言葉を初めて知りました![]()
トライ・コンバージョン・ペナルティゴール、ここまでならよくありそうですが、ドロップゴールは難しいですね。多くて10試合に一度くらいしかないと思います。
そして、本作品は早見がオールブラックスの一員として、ワールドカップのプール戦でジャパン相手にフルハウスを達成して勝つという美談で幕を閉じました。

う~む、仕立ては良いのですが、もうひと捻りぎらついたところも欲しかったなぁ~と思ったりもしました![]()
良いお天気
ながら今朝も冷えた静岡の自宅にて

