同級生が営むワインレストランにある掛時計。

時計の針は進むが振り子が振らなくなったそうで修理を承りました。


地球鶏印掛時計で、大正自体にも関わらずモダンなデザイン。


時計裏面には当時の性能証明とインストラクションの紙が残っています。

海外輸出の方が歩度が良いんですね。

・甲(海外向)2mim/day

・乙(国内向)3mim/day


この時計はすでにクォーツの振り子ムーブメントに換装されています。それをご承知でオーナーは購入されました。


しかし、開けてみるとかなり雑な改造処理をされていました。半田も雑。


電池ボックスとの電線も手で捻ってテープでチョイ絶縁。これは残念です。



とにかく、汚い配線と半田を取り除きました。

そして、振り子駆動のパワーを活かすべく、振り子の軽量化と駆動パワーを上げるため(気持ちw)単二電池駆動に換装します。


まずはここをくり抜きます。


普通のドリルだとブレるので、センタードリルでたくさん穴あけ。

そしてニッパーで切り開きます。


抜けました。


いつものエレクターGXにダイヤモンドディスクを付けて切断面を綺麗に。

こんな風にくりぬけました。


電池ボックスを単二用に。

見えないところですが塗装色に合わせて電線もグレーに。

そしてムーブメントもホットグルーで補強接着。


こんな感じで振れるようになりました。

振れ幅もオーナーに動画を見せたら購入時よりも大きく触れているそうです。





修理が完了したので明日納品です。

また店頭で長く時を刻んで欲しいものです。


では。