なんかクリスマス。青森では、雪が降り、ちゃくちゃくとクリスマスの準備が進む今日この頃。

小学生の頃、学校で、クリスマス会があり、みんなはその日を楽しみにしていた。

いつもとは違う空気になってる事はみんな感じていて、みんな、そわそわしていた。

僕らが小学生の頃は、ストーブがあり、いつも、遅刻するやつに限って、1番にきて、そのそわそわする気持ちを、ストーブで暖めて、気持ちを落ち着かせるのだ。

・・・つまりは、僕の事であったりする。。

いつもと違うことをして、まあ、いいことがない。

「・・・・・あっプレゼント忘れてた。。」


もらうことしか頭になかった、小学二年生は、うっかりというか、すっかり忘れていた。。

焦った。テンパった。今でも少ない脳みそなのに、あの頃の僕は、ないに等しかったのだろう。

まるで、ノーベル賞ものの発見をしたかのごとく、校庭にダッシュ。ダッシュダッシュ。。キック&ダッシュ。。

いや、キックはしてなかった。。確か。。

男どもが見つけた、(正確に言えば、二年三組の男ども)秘密の校庭にダッシュした。。

校庭の隅にある、焼却炉の裏手に隠れたように立っている一本の木があった。そこには、小学生が目の色変える光景があったのだ。。

虫、虫、天国。。

夏には、クワガタや、カブトムシもいたりした。。

・・・冬はいなかった。。。

ただ、その木は、多分、虫達を刺激する、蜜がでとるんじゃろー。。

十二月の寒い朝に、死ぬほど集まってる、あほな虫がおった。。


・・・・カナブンくん。だ。


ハッハッハ!と思った、もう一人の馬鹿が、(・・・僕なんですが)ひたすら、アカシロ帽子に、アホが、(・・・まあ僕なんですが)アホなカナブンくんを、アカシロ帽子いっぱいに捕まえたのだ。


・・・その通り、、クリスマスプレゼントだ。

自由帳で箱を作り、捕まえた、カナブンくんを、ぎゅうぎゅうに詰めた。。

一見、悪ガキのわるさに見えるが、アホなんで、ほんまに、喜ぶぞ!みんな!と、なんか勝ち誇っていたのを覚えている。

いざ、クリスマス会が始まり、出し物や、なんやらで、大騒ぎ!
いざ、メインイベントへ。。

そう、プレゼント交換だ。。それぞれ、おもいおもいのプレゼントを手に円になった椅子に座った。。

今思えば、カナブンくん達は、おとなしくしてたなあ、と、一瞬思ったが、、そりゃーそうだ、ぎゅうぎゅうやったんやから、んで、テープで頑丈にとめておいたのだから。。。弱ってたのだ、カナブンくん達は。。

子供は、ときに残酷な事を平気でするもんだ。。
さあ、プレゼント交換は、始まった。
何故か、クリスマスソングではなく、チークダンスを踊る時の音楽に合わせ、グルングルン回された、もちろん、カナブンくん達も回された。。。

音楽が急に止まり、先生が「ストーーーップ!」

ざわざわとみんなの声。
僕のとこに来たのは、袋にも入ってない、ドングリで作ったと思われる、小動物だった。。。(今だにあれは、なんだったのかわからん。)

今でも、はっきり覚えている感情・・・・「チィッ」って思った。

・・・子供は正直だ。。

そんな事より、僕のプレゼントは?と、辺りをキョロキョロしとったら、 ある女の子が、、


「ギャーーーーー!!」と悲鳴をあげた。。

キャーーじゃなく、ギャーーーーーだ。

見ると、女の子の膝の上に、身動きがとれずだったカナブンくん達が一気に開放され、自由気ままにうじゃうじゃ動き回っていた。。

・・・大惨事だ。。

その声を聞き、光景を見た他の女の子達も、悲鳴をあげた。。

そこらへんのホラームービーよりも悲惨な光景だった!


「コラー!!!誰かね!!こんないたずらしたのは!!!」

先生が怒りの声をあげた。

僕のプレゼントが当たってしまった女の子は、うぇんうぇん泣いた。


そりゃーそうだ。


僕は、焦った。し、汗った。(うまい事言ってると思った自分が恥ずかしい。。)

ションベンちびりかけた。。

「誰かね!!」先生は、再び怒りの声をあげた。。

僕は、、、、、、誰だ!こんな事するやつは!的な顔をした。。


・・・・・・・三秒でバレた。。。


何故かというと、クリスマス会が始まる前、友達達の前で、「俺は全部手づくりじゃけー!!」と、折り紙で装飾したポンコツ箱を自慢げに見せてたのだ。。

多分、その時、こいつのプレゼントだけは、絶対やだ!と、その友達は、思ったと思う。。

でも僕は、すごい自信だったのだ。


話しはそれたが、その友達が一斉に、僕を見た。。僕は、小さい頃から、自分が悪い!と指摘されたら、ぜんぜん、バレバレに、「誰の事をいってらっしゃるの?」と違う方向を向くくせ?があり、多分あの時も、「誰の事言ってらっしゃるの?」をやったと思う。。



まあ、すぐバレるんですが。。今も。。

先生もすぐに気付き、「としくん!あんたかね!」

「いや、あっ、うん。」

先生「・・・・ちょっと来なさい。。みんな、静かに、自習しちょきなさい。。」

僕のカナブン爆弾の被害にあった、ようこちゃんを先生はおんぶして、保健室へ歩いた。。僕は、何も喋らない先生の後ろを、廊下の点線を見ながらついていった。

保健室へつき、ようこちゃんをベットに寝かせ、「としくん、こっちきて、ようこちゃんに謝りんさい!!」

保健室の冷たい空気に先生の鋭い声が混じり合い、ある種、凶器にも感じた事を覚えている。。

「ようこちゃん・・・・ごめんね。。」

弱々しい声で言った。。
「もっと大きな声で、ちゃんと、謝らんと、聞こえんじゃろーがね!!」

先生は、さっきの二倍の声を張り上げた。凶器は、核爆弾に変わった。。
ようこちゃんは、その核爆弾にふれ、

びえ~~~~!!と、大泣き。。

「ご、ご、ごめんなさい!!」

「ようこちゃん、としくんが謝っちょるけど、許してあげる?」

びえ~~~~!!


もう聞いちゃいない。。

「としくん!謝りが足りんのよ!ようこちゃん、許してくれんって!!」

・・・・・いやいや、あんた。。と、今なら思うが、ひたすら謝った事を覚えている。。

「としくん!ようこちゃんが許してくれるまで、校庭を走りなさい!!ようこちゃん、それでええ?」


びぇ~~~~。


ようこちゃんは、泣きながら、首を縦に振った。。


・・・・・・おい、おい。。と今なら突っ込めるが、素直に応じた。。

12月の寒空のしたで、カナブンくん達をしこたまつめてたりした、アカシロ帽子をかぶり、走りはじめた。。

途中、焼却炉の近くを通りながら、奥にちょっと顔をだした、虫、虫、天国を見た。。

先生に、「あんた!こんないっぱいのカナブンどこで捕まえたんかね!!」と何回か言われたが、、「それだけは、言えん!」とつっぱねた。

「お前の事は、吐かんかったぞ!」 と、何故かほこらしく思い、心があったまった。。



この話し、暖かい話しと思うか、ひでー話しと思うかは、あなた次第である。。(都市伝説風)