Sasuke の食道癌 闘病の記録 -8ページ目

Sasuke の食道癌 闘病の記録

東京都新宿区在住の 51歳 会社員。内視鏡検査で突然 「食道癌」 の診断を受ける。

食道癌全摘手術を終え、ICU における生活が始まった。


12/02(火)朝、目覚めたが、

自分が何故ここにいるかが分からない。

前夜に使用した強力鎮痛剤の効果であろう。


経緯につき看護士より丁寧に説明を頂き、少しずつ状況を理解するという

日常からは考えられない状況。


ICU (Intensive Care Unit 集中治療室)  - Wikipedia より

呼吸、循環、代謝その他の重篤な急性機能不全の患者の容態を

24時間体制で管理し、より効果的な治療を施すことを目的とする。


酸素、胸部左右ドレイン、体内酸素センサ、尿カテーテル、腸瘻、CV ...

全身でパイプが 10 本位繋がっているかんじ。


超重篤患者という自身の様相にとても驚く。

実際、17時間の大手術を終えた重篤患者なのである。


ベッドから離れることは出来ないし、

寝返りさえも打てない。

意識は常に朦朧。


極めて恐ろしかったこと。

咳をする力がない。


コーチ2という肺呼吸運動の練習器具を使用すると

肺活量は術前 4300cc であったが、

ICU にいる間は 700cc 程度。


肺から気管にかけて、重い痰がからんでいるが、

肺に力がなく、それを排出することができない。
 

極めて苦しい。

痰がからんでいることを承知で浅い呼吸に留めて凌ぐ。

酸素マスクをしているので、落ち着きさえすれば危機的状況にはならない。


分かってるんだけど、

呼吸ができない恐怖って人生で初めてだから、やはりコワい。


  
自身はコントロールすることができたが、

人によってはパニックに陥るかもしれないというレベル。

  

これぞ、後で振り返っても、食道全摘手術全体における最大の恐怖であった。

   
術後おそらく 4-5 日目、

やっとのことでボスキャラ級の茶灰色、おどろおどろしい色の痰が出る。

少しずつ少しずつ、痰を排出するコツがわかるようになる。

 

過去の記事で述べた 「肺炎の恐怖」 とは、おそらく

かような咳をする力を回復するまでの苦しい期間に

面倒な感染症になった場合、極めて危険な状態になり得るということだろう。


主治医も肺炎を最も心配していた。

痰の成分(細菌、ウイルス)の定期的な検査、

体温チェックのデータに神経質であった。


肺炎 恐るべし である。