うつ病を発症してもうすぐ10年

当初は週に一度の通院も今では

月に一度。

色んな病院で診察を受けたけれど

母と、妻を自死で亡くした事が原因の

発症なので、病院の医師に何を話しても

症状が良くなる事はないし、診察時間も

だんだん短くなり、今では2分程度。

「何か変わった事はありますか?」

と毎回お決まりの質問に

「特にありません。」

と答えて

「じゃあ、いつも通りお薬出しときます」

と言われてお終い。

大体、うつ病の発作が劇的に良くなる

薬なんて無いし、役に立つのは眠剤くらい。

不眠は解消されるけど僕みたいなうつ病

の一番の薬は

「誰といるか」と「どうありたいか」

という事だと、僕は思う。

心に波風を立てない事、人間関係に

悩まない事、それが大切だ。

でも、それは生きていく中で最も難しい

健常者ださえ難しい事。

人と人とが分かり合う、というのは

本当に難しい事だと、大人になって

いくたびに感じるようになった。

子供の頃は、無限の可能性に溢れていて

大人になるという事は

「自分の可能性の限界を知る事」

だなんて、夢にも思わなかった。

過ぎ去った時間、終わってしまった

人間関係は二度と取り戻せない。

だけど、まだ僕にも出来る事がある。

それはこれまでの経験を活かして

僕と同類の人を作らない事。

今、いる場所が愛しいと思えるように

背中を押す事じゃないかと思う。

愛猫のトラちゃん、今日はお気に入りの

場所でウトウト。

その姿を見ていると、僕も穏やかな気持ちになる。

春の雨が降る、今日の僕の気持ち。