昔から、自分は多分、短命だと思っていた。

 

母が自死で亡くなった頃からそう思うようになった。

 

孤児だった僕を養子として育ててくれ

 

僕に、家族という居場所と母の愛を与えてくれた

 

偉大な母が自ら命を絶つことを選択するほど

 

希望のないこの世界に、僕はそう長くは

 

生きていられないだろうと漠然と考えるようになった。

 

でも歳を重ねて行く中で、母がどういう気持ちでいたのか

 

自分がどれだけ出会いに恵まれているか知る度に

 

思ったより自分は長く生きるんじゃないかと

 

考えを改めた。

 

これまでの経験から、良い人ほど短命で悪い人が

 

長生きする、ということを知り

 

その理不尽さに、無性に腹が立つようになった。

 

毎年、日本だけで2万人もの人が自ら命を絶つ。

 

それに加え、去年は新型コロナウイルスの影響で

 

収入が減ったり、失業したり、廃業に追い込まれた経営者

 

責任感が強く、真面目な人ほど周りに迷惑をかけられない

 

という理由で4割増しの2万4千人もの人が自ら命を

 

絶っている。

 

僕は自死遺族としてそういった報道は気をつけて見ているし

 

何とか、僕と同類の人を作らないために

 

このブログを書いている。

 

もう、誰もが気づいていると思うが、このコロナウイルスは

 

一人一人が感染リスクを考えて行動することが一番の

 

感染予防になる。

 

収入が減ったり、生活の困窮で命を絶つ前に

 

然るべき場所に相談に行けば、何とかなる場合もある。

 

先日の菅総理の

 

「最終的には生活保護がある。」

 

という発言には本当に落胆した。

 

生活保護を受給するには大きな壁がある。

 

財産が預貯金を含め15万円以下、生活支援を頼める

 

身内の有無、持病や何らかの事情で働けないというのが

 

明らかな証拠、など様々なことを調べられ親族全てに

 

連絡され、実際、生活保護の受給対象になっても

 

実際に保護を受けられるのは3ヶ月ほどの時間を要する。

 

それができないほど困窮しているから相談しに行くのに

 

役所の窓口で門前払いされるケースがほとんどで

 

そういった実態も知らずにコロナの被害にあった人に

 

「生活保護がある」

 

などというセリフを行政のトップが発するべきじゃない。

 

コロナウイルスの感染を広めるのも、止めるのも

 

結局は個人が自分にも周囲の人にも感染させないように

 

行動するのが一番だ。

 

最近ではコロナに感染した人に対してコロナ差別という

 

誹謗中傷が生まれ、コロナの後遺症に苦しんでいる人に

 

追い討ちをかけるようは事まで起きている。

 

こんなことがあっちゃいけない。

 

生きることは、この世界にいる人に平等に与えられた権利だ

 

それを、心無い一部の人間の言動で自ら絶つことだけは

 

やめてほしい。

 

人は誰もが少なからず誰かに影響を与えている。

 

それは、希望だったり、逆に絶望だったりもするけれど

 

突然、命を絶たれ残された人は悲しみの中で

 

一生、その悲しみを抱えて生きて行く

 

そのことを想像できれば

 

踏みとどまることがきっとできるはず。

 

大切な人を2度も自死で亡くした僕に出来たことは

 

今ある命を慈しみ、1日1日が奇跡なのだと知ったことだけ。

 

普通の家庭に生まれ、普通の生活が送れることが

 

どれだけ幸せなことか、ということを僕は知っている。

 

それを自ら放棄するなんて絶対にしちゃいけない。

 

そしてコロナに感染した人を誹謗中傷するなんてことは

 

絶対に許してはいけない。

 

馬鹿な僕でもそのくらいは分かる。