14年前、生まれた娘に僕は何もできなかった。
養育費を払い、限られた時間しか会うことが出来なかった
その中で、僕が娘に伝えられることといえば
仲間の大切さ、あとは唯一の取り柄である
バスケットボールを教える事だった。
僕は、父親と名乗れる資格もなかった。
それでも、娘は物心がつく頃から大きなボールを持って
僕との時間を楽しんでくれた、いや、
僕が子供の成長を見ることに生きがいを感じていた
そして、娘がバスケットボールからの強豪校からの
スカウトに目が止まった。
そのお誘いを受け、スポーツ特待生として進学できるように
なった。
その後、娘が進学してから少しして
娘から一通の手紙が届いた。
手紙には強豪校の練習のツラさ、そして
仲間の大切さが綴られていた。
決して上手い文章とは言えなかったけれど
僕は胸を打たれた。
最後に「あなたから教わったこと、今でも心の中に
あります。」
その言葉を見て、人生に無駄なことなんかない
そう思えた。
今まで、13年、父親らしいことは何一つしていない
だけど、娘は立派な子供に育ってくれた