妻を自死で亡くし、一人で生活するには
思い出が多すぎるこの街から逃げるように
飛び出して
いつまでも腐ってはいられないと思い
その思い出が多すぎるここへ戻って来て
思い出から逃げるように働いた。
アルバイトを何個も掛け持ち
貯めたお金で小さな店を始めた。
その日から今日で丁度8年が経つ。
家族を亡くしたときは、今日みたいな日を
迎えることができるなんて想像もできなかった。
人が死に至る10の要因
孤独、犠牲、虚無、絶望、破壊、陶酔、狂気
強欲、老い、憤怒・・・
そのすべての感情が入り混じり
心が歪んでしまったのかもしれない。
それでも僕は多くの人との出会いの中で
様々な人と触れ合う中で少しずつ人間性を
取り戻すことができた。
相手と全く同じことを感じるなんて
ありえないのかもしれない
だけど、相手を大切に思い合って
相手の少し近くに心を置くことはできる
心を一つにするっていうのはそういうことだと
この8年間で学んだ。