先日、久しぶりに裁判の傍聴へ行った。

 

僕が生活している街は割と治安が良い地方で

 

裁判所に傍聴に行っても、裁判が行われていない日が

 

ほとんど・・・。

 

しかし、今回は2件の裁判を傍聴することができた。

 

一件は、道路交通法違反、スピードオーバーだ。

 

80キロ規制の高速道路を時速170キロで走行した

 

スピード違反で正式裁判が行われるのにも驚いたが

 

もう一件の裁判はさらに衝撃の事件だった。

 

裁判の予定表に書かれていた罪名は「詐欺」

 

最近、問題になっている振り込み詐欺の類かと

 

思ったが、起訴内容を聞くと「食い逃げ」だった。

 

その被告は今年1月に出所、身元引き受け人がいなかった

 

ため、更生保護施設で生活しながら仮釈放から満期日

 

まで働いて、お金を貯め、社会復帰する、はずだった

 

しかし、更生保護施設は飲酒は厳禁で、本人の所持金

 

などは関係なく、今日強制退去。

 

被告は所持金100円でスナックに入り27000円

 

酒やオードブルを食べ、そのまま支払いをせずに

 

逃亡・・・そういった事件を何件も起こしていた。

 

起訴されたのは、その27000円の食い逃げと

 

また違う店舗で7000円の食い逃げの二件。

 

通常なら執行猶予付きの判決だが、その裁判は

 

実刑ありきで進行していた。

 

被告本人の主張は、被害者に謝罪文を書いて

 

被害金額も弁済した、とのことだった。

 

所持金100円でよく被害弁済などできたな・・・と

 

思っていたら、今回、新型コロナで特別給付された10万

 

円の中から返済したという。

 

被告は今回で12回目の実刑、人生のほとんどを

 

刑務所の中で過ごしてきたということだった。

 

受刑者の生活費、刑務所の維持費は税金から出ている。

 

そして、今回も出所後2ヶ月で再犯を犯している。

 

税金など払ったこともないだろう

 

しかし、そんな受刑者にも今回の特別給付金は

 

支給された。

 

その給付金の中から被害弁済、というのもおかしいが

 

残った5万円ほどの使い道を検察官から問われると

 

「刑務所の中で、石鹸とかタオルとか買う。」

 

という返答に傍聴席に座っていた皆がずっこけた。

 

出所後の更生生活、就職活動のために使う、という

 

考えがないのだ。

 

裁判はその日のうちに結審し求刑は懲役4年。

 

被害金額は合計4万円弱・・・。

 

情状酌量の余地はない、と厳罰に処された。

 

刑務所の中では必ずしもお金を持っていないと生活

 

できないということはない。

 

石鹸も、タオルも申請すれば貸与される。

 

実際、そういった人がほとんどだ。

 

日々、コロナの感染に怯えながら働き

 

税金を納めている人が受けるべき、今回の給付金。

 

コロナの感染の心配もなく3食昼寝付きで生活して

 

いる犯罪者に支給するのはいかがなものかと

 

その裁判を見て考えさせられた。

 

受刑者こそ「自粛」すべきじゃないのか