部屋を整理していたら、見覚えのないメモリースティックが
出てきた。
PCにそのメモリーを挿して中身を見てみた。
するとそこにはとても懐かしい写真が保存してあった。
僕は、育った環境からか愛想笑いが得意だった。
他人の顔色ばかり窺い、嫌われないように
捨てられないために愛想笑いが上手くなった。
この写真でも、その場は全く楽しく無くても
満面の笑顔で笑って写っている僕がいる。
こうして自分の小汚い愛想笑いを見るたびに
気分が悪くなる。
この時も、心のどこかに深くて暗い闇を隠すために
笑っている。
この世界のどこかにも僕と同じような
他人の顔色ばかり窺って生きぬくさを感じている
人がいるんじゃないだろうか。
少なくとも、僕が育った孤児院の子供はみんなそうだった
大人の顔色を窺い、怒られないように、殴られないように。
楽しくも、面白くもないのに笑う。
そんな辛い人生を送って欲しくない。
「もうこれ以上、光が消えるのを見たくないんだ。」