少し前の僕は、愛だの恋なんて信じていなかった。
例え、永遠の愛なんてものを友人や知人の前で誓い合っても
不倫をすれば、子供ができて育てられないと判断されると
僕みたいに、燃えるゴミくらいの感覚で捨てられる
恋愛というものには、何をしても法的には罰せられない
でも、婚姻届という紙切れ一枚、役所に提出することで
その時点で「家族」となる。
僕はこれまで、浮気や不倫、その他にも多くの相談に乗り
話を聞いてきたが、結局はみんな別れを選ぶ。
恋人であれば別れ、夫婦であれば離婚、人間関係や
この世界に絶望したのであれば自死。
そんなことを決めるのもまた、紙切れ一枚だ。
僕は、そんな現実をたくさん見てきた。
その結果、誰も救えなかったのは
僕自身が愛情や恋心を理解していなかった
そのことが理由の一つではないだろうか。
そんな男のアドバイスなんて、活かされるはずもない。
僕はまだ、何が正しくて、何が間違っているかなんて
分かっていなかったけれど
確かなことは、一つだけある。
自分自身の保身と、人間の命を秤にかけ
迷いに追われて決めた行動は
関わるもの全てを不幸にするだけだ。ということ。
「命を懸けて」と軽々しくいうもの
何の脅威から守るのかもわからないまま「君を守る。」
というものほとんどが自身の保身のために他人を見殺しに
する、というのがこれまでの僕の経験からの持論だ。