最近、子供の頃の夢をよく見る
ずっとずっと昔、まだ僕が小学生だった頃
施設から里子に出された。
会社を経営している両親
転校したばかりの学校、慣れない家での生活に
初めはすごく戸惑った。
父は自分ができなかった夢を僕に背負わせた。
母が生きていた頃は、まだやさしくていい人っぽかった。
でも、それは頼れる母がいたから。
いなくなってしまってからは一人では何もできない人だと
分かった。
母が亡くなった時、僕だって泣きたかったのに
まるで子供のように泣きじゃくり、すべてを僕に
責任を背負わせて、自分は年老いた祖母のところへ
逃げ込んだ。
神様は意地悪だと、当時は思っていた。
生まれてすぐに実の母親から捨てられた僕から
家族を奪うなんて。しかも、家族の大切さに気づいた頃に
でも、今はこう思う。
あの時、僕が家族の大切さに気づいていなかったら
次の夢は追えなかったかもしれない。
僕たちはなかなか完璧にはいかない。
それでも何かが欠けているからこそ前に進める。
完璧に満たされてしまったら、そこから先の人生に
何の意味があるのだろうか。と