僕はこれまで、自分が人の苦しみや悲しみ、痛みや悲しみ

 

そういったものに気づかずに僕自身が必ず守らなければ

 

ならないものを何度も無くしてきた。

 

モノや仲間、家族、愛した人さえ。

 

自覚はある。「生まれてこなければよかった」と。

 

これまでこの世界の矛盾や理不尽な暴力

 

永遠も愛を誓い合った相手の裏切り。

 

本当にこの世界は何だ?

 

ここは何だ?

 

と思っていた。

 

それでも、僕は良く生かされている。

 

生まれてすぐに捨てられているにを発見され

 

施設で育ててもらった事

 

ちっぽけで馬鹿な僕を養子として育ててくれた両親

 

僕に、仲間の大切さを教えてくれた恩師

 

命を懸けて、僕への愛を伝えた妻

 

それだけで充分だ。

 

僕は恵まれた、出会いに。

 

それは、多分、僕を育てる事ができなくて捨てた母が

 

僕に唯一、祈ってくれたおかげだと思う。

 

「どうか、幸せになってね。人を傷つけないように」

 

僕は今、そう思わざるにはいかない。

 

僕をこの世界に産んでくれた。

 

そこから僕の世界は始まったんだ。

 

たくさん人を傷つけたし、自分も傷ついた。

 

でも、それは母が僕がこの世界に居られるからだ。

 

今まで、育児放棄をした母に恨みさえ感じていたけど

 

今は違う。

 

命を懸けて産んでくれてありがとうと伝えたい。

 

たくさんの出会い、別れ

 

愛情やその喪失と自分への失意

 

この世界に生まれていなければ、知ることは出来なかった

 

 

でも、一つだけ願うなら

 

もう少し、人の気持ちを察する事ができるまで

 

母親という愛情を教えて欲しかった。

 

 

僕を産んでくれた母親は亡くなったと知らされた。

 

僕は、母に心から伝えたい

 

この世界に生まれて来れて良かった。

 

本当にありがとうございます、どうか、どうか

 

安らかに休んでください。と

 

あなたのおかげで僕は今、こうして

 

「生きています」と