ご相談を受ける中でうつ病と闘病中の方から

 

「頑張れ。気持ちを強く持て。」

 

と言われ、何を、どう頑張ればいいのかという

 

ご質問をされた。

 

僕は自分がうつ病になるまで、大した知識もなく

 

世間一般で言われている

 

「心の風邪」

 

としか認識がなかった。

 

しかし、そんな言葉一つでは表せない苦しみを抱えることに

 

なる。

 

症状は、人それぞれだが僕の場合

 

初めに、一切の食欲が無くなり睡眠が取れなくなった。

 

体重が減少し、睡眠が取れず何日も夜中、一人で

 

考え事をするようになった。

 

仕事が手につかないようになり、日常生活に支障が出てきた

 

その頃だった。

 

その様子を見ていた職場の上司から

 

「気合が足らない、根性がないからそんな風になるんだ。」

 

と言われた。

 

その時にはもう思考回路がおかしくなり

 

まずは睡眠を取ろうと精神科を受診した。

 

妻の死、その後の生活を医師に伝えると

 

はっきりとうつ病と診断された。

 

しかも、かなり重度の鬱状態だと言われ

 

その日から、精神安定剤、抗不安剤、睡眠薬を

 

かなりの量を処方された。

 

うつ病の人が言われて一番辛いのは

 

「頑張れ」

 

という言葉だと思う

 

頑張らなくてはいけないことは分かっている

 

しかし、何をどう頑張ればいいのか分からないのだ。

 

もしも、身の回りの人が鬱の症状の傾向が見えたら

 

まず、ちゃんと見守ること。

 

なるべくストレスのかからない生活をさせてあげること。

 

相手が無理をしているようなら

 

「頑張りすぎない。」

 

「ゆっくりでいいんだよ」と

 

声をかける事が大事だと思う。

 

精神科で処方される薬では鬱の症状はすぐには改善されない

 

天候の悪い日でも体調を崩す時がある。

 

本当に難しい病気だ。

 

最悪の場合、自死ということまで起きてしまうからだ。

 

うつ病を発症し、家族や周りの人に迷惑をかけていると

 

感じるだけで、この世から消えてしまいたくなる事が

 

僕にはあった。

 

本人が好きなことをさせてあげる事ができるならいいが

 

現実には難しい。

 

繰り返し言うけれど、大切なのは

 

暖かく見守る事。

 

「頑張れ。」ではなく「頑張ってる。」と

 

声をかけてあげる事。

 

理解者がいる、と言う事が一番の治療薬だと僕は思った。

 

今、新型ウイルスの影響で収入が減ったり、仕事ができない

 

と言う人が大勢いることと思う。

 

そばにいる人が、苦しみや悲しみ、痛みや悩みを

 

抱えているなら、暖かく見守ってあげて欲しい。

 

どれだけ今が辛くても

 

「生きてさえいれば・・・」

 

と言うことを忘れずに支えてあげる事が一番だと思う

 

家族の負担も大変なものだという事も理解できる。

 

しかし、この病気を乗り越えて

 

穏やかな日々を過ごせることを信じて

 

力を貸してあげて欲しい。

 

その先に待っている明るい未来を信じて。