妻が亡くなると同時に携帯電話が止められた

 

どのようなシステムかはわからないが

 

契約者が亡くなると、強制的に携帯電話は使用不可能になる

 

僕の持っていたスマホも妻の名義だったので

 

突然、使用出来なくなった。

 

それから6ヶ月間、僕は携帯電話を持たなかった。

 

人と触れ合うのが怖くなったからだ。

 

仕事上、携帯がなくても支障はなかったし

 

ネットなど、見る気もしなかった。

 

その後、仕事を辞め妻と過ごした街に戻ってきた日

 

偶然、当時の職場の同僚と再会した。

 

妻の死後、突然職場からも街からもいなくなった僕の

 

ことを、心配してくれていた。

 

それまで自分の身の回りで起こったことを

 

ポツリポツリと話した後、その同僚が

 

「いつでも連絡が取れるように。」と

 

iphoneを1台契約して渡してくれた。

 

その1台のスマホでFacebookやTwitterなどの

 

SNSで繋がっていた、友人、知人からのメッセージを

 

見る事ができた。

 

妻の死が全国ニュースで報じられたことで僕のことを

 

心配してくれたみんながメッセージをくれていた。

 

それまで、一瞬でもまともに生きた心地がしていなかった

 

けれど、こんな僕を心配してくれ、励ましてくれる人が

 

いることで、とても、とても救われた。

 

そのiphoneはもうOSのサービスが終了して

 

使えなくなってしまったけれど

 

仲間の大切さを忘れないように

 

今でも大事に持っている。