2000年代前半に韓国映画の「シルミド」が話題になって、私も観ましたが、すさまじい映画でした。韓国人のスピリッツが炸裂する印象がありました。
この映画の元になった実尾島事件に関係したクリスチャンの証しの話が偶然見つかったので、記しておきます。
映画は、北朝鮮の首長を暗殺するために韓国・仁川沖の実尾島(シルミド)で特訓を受けていた特殊部隊の20数名が、自分たちの名誉を取り戻すためにソウル大統領府に直訴に行く途中で、自国軍から反乱兵として鎮圧を受け、全滅するという内容。映画の中で描かれる訓練があまりに過酷であり、時の政府の彼らに対する態度があまりに無慈悲であるがゆえに、日本で言えば忠臣蔵のような共感を得て韓国で大ヒットした映画です。日本でも観た人が少なくないのではないかと思います。
先ほど、この事件に触れていた記事を読んでいて、この事件に関係したクリスチャンが必ずいるという想いが、ふっときました。
Google検索で「実尾島」「クリスチャン」を韓国語に翻訳し、この2語で検索してみたところ、やはり出てきました。
米国のキリスト教新聞クリスチャンデイリー(Christian Daily)に韓国語版があり、そこに記事が出ていました。記事は韓国語ですが、Google Chromeにはウェブページを翻訳する機能が組み込まれているので、日本語か英語にすることで内容を読むことができます。
◎「訓練兵の目から私を隠して下さい」
生き残った方は反乱兵側ではなく、彼らに対する武道の教官として実尾島に赴任していた人、現在は教会で長老になっているヤンドンス氏。当時すでにクリスチャンでした。また、彼の母が熱心なクリスチャンで、事件のあった時に息子に危機が迫っていることを夢で知らされ、それから12時間祈り続けたと書かれています。
1971年8月のある朝、3年間以上にわたる苛烈な特殊訓練の成果を発揮する機会がないまま、政権の判断による極秘任務がなくなって、不満を募らせた特殊部隊24名が島内で武装蜂起。その日の朝、ヤンドンス氏は宿舎にいて、突然、背中から首にかけて銃弾が貫通し、訓練兵の武装蜂起を知ります。逃げなければ命が失われます。
大量に出血しながらもヤンドンス氏は島内を逃げます。兵に見つかりそうになった時、彼はダニエルの奇跡を思い出したそうです。高温の炎が燃える炉に投げ込まれたダニエルが、火傷ひとつ負わずに炉から出てきた奇跡です。そして主に「彼の目から私を隠して下さい」と祈ったそうです。これで見つからずに済みました。
再度見つかりそうになり、同じ祈りをして、見つからずに済みました。島内では逃亡兵に隠れ場を与えない目的で樹木が切り倒されており、逃げ隠れできるところはありません。普通なら必ず見つかるところを、兵が通り過ぎたそうです。
三度目、これで必ず見つかるだろう、見つかれば必ず殺されるだろうという局面で、ヤンドンス氏は「訓練兵から私を隠して下さい。生かしていただければ、一生を主のためにお捧げします」と祈ったそうです。
訓練兵には彼が見えることなく通り過ぎました。しばらくして訓練兵たちはソウルの大統領府に出発します。
この間、彼の母は12時間、祈りに祈り続けたそうです。
事件が収束して後、彼は軍を除隊し、学校の美術の先生になり、教頭を経て校長になります。教会では熱心に奉仕をして、長老に選ばれます。
実尾島で経験した奇跡について、各国の教会から呼ばれて証しをしているそうです。韓国、米国、オーストラリアなどの教会をめぐって、すでに500回以上の証しをしているそうです。
この最後の彼の祈り。私を救って下さったら、私はこれからの生涯を主にお捧げします!という祈り。こういう祈りの証しには、過去に何度か接しています。ここまで切実な祈りは、主が、必ず聴いて、奇跡を現して下さるのでしょう。
ここまで切実でない祈りでも、イエス様の決定的なみことばが複数ありますから、必ず聴いて下さるでしょう。奇跡も現して下さるでしょう。どちらもハレルヤです!
Photo courtesy of AJ Cann