私は定職に就いていない。
それは、お母さんとばあちゃんの通院日に、
どうしても家の仕事を手伝わざるを得ないから。

通院日は不定期。
だから、突然行く時もあるし、週に3回通院がある日だってある。
そこに合わせるには、
私が定職に就かず、空いた日に単発バイトに行く方法しかない。

7月に受けた介護認定も、
この夏の暑さのせいで、申請者数が激増したらしく、
介護サービスを受けるにもまだまだ時間がかかる。


仕事はしたいけど、やっぱり人並みに恋もしたい。
だけど、こんな状況じゃ出逢いがない。
それに精神疾患もあるし、定職もない。
これじゃあ余計に相手にされない。

20代のヤングケアラーは、仕事はおろか恋愛するチャンスも奪われる。
同級生たちは仕事や結婚、子育てに忙しいが、
私たちは「介護」に忙しい。
20代らしい生き方が出来ないのだ。

介護なんて、人生のもう少し先であってほしかった。
そんな事など無関係な20代がキラキラと輝いて見える。
介護している私は、うつ病もあるせいか、
人生の落ちこぼれ、
スーパーで言えば売れ残り、値引きシールを何枚も貼られたような人間にしか思えない。


私には幸せになる権利はあるのだろうか。