アメリカ独立記念日は、

新年を迎える時と同じくらい、

あちこちで花火の音がする。

わんこやにゃんこと暮らしている人に

とって、こういう日は憂鬱になる。

この出来事はどうしても許せず、

これから私たちが真剣に

考えていかなければならないことと

思ったので、覚え書きのために

記事として残します。

 

ルアウショーの終盤、

ヒルトンのレインボータワーの

向こうに花火が上がった。

子供の頃から花火が好きな私は

「わぁ」と思わず声が出た。

 

帰り道、アラモアナブルバードを

カラカウアアベニューに向かって

歩いていた私は、「キャン!キャン!」

という犬の鳴き声を聞いた。

声の方を見ると、白っぽい小型の犬が

アラモアナブルバードを

ショッピングセンター方向に

走っていった。

幸い車は犬の後方から来るので、

速度を落としたり止まったりしていた。

男性が犬を捕まえようと道路を

走っているのが見えたので、

花火の音が怖くて逃げだしたのかな、

くらいにしか思わなかった。

犬とは反対方向へ歩いていると、

前の方からまた犬の泣き叫ぶ声が聞こえた。

いつの間にかあの犬がカラカウアアベニューへ

戻っていたみたい。

 

夜の9時過ぎだというのに、車の数は多く、

しかもかなりのスピードでビュンビュン

走っていく。

轢かれなきゃいいけど、と思った矢先、

するどい「キャン!キャン!キャン!」が

聞こえた。

車に当てられたんだ!

信号のところまで来たとき、

うずくまっていた犬が立ち上がって

歩き出そうとしていた。

そこでまた、別の車にはねられた。

ぐったりと道路に横たわっている犬の上を

平気で走って行こうとする車を、

信号の反対側にいた女性と一緒に

道路に出て止めた。

犬は微かに息をしていたけれど、

頭を打ったのか鼻と口から血が出ていた。

少し遅れて道路に出てきた若い男の子に、

犬を歩道まで運んでもらった。

体はまだ温かかったけど、

すでに息絶えてしまっていた。

私の他に3,4人、人が集まってきた。

可哀そうな犬をこのまま打ち捨てるわけにも

いかず、見知らぬ同士がお互いを見る。

私は着ていたシフォンのショールと、

ルアウでもらったレイで犬を包んだ。

 

これからどうする?無言で顔を交互に

見る私たち。

きっと犬好きなんだろう、一緒に車を

止めた女性が、「この子、野良じゃないわね」

と言った。

「爪も綺麗にカットされてる」とも。

 

別の女性が警察を呼んでくれて、

ヒューマンソサエティに連れて行ってくれた。

マイクロチップの有無を調べるために。

警察を待っている間にも、

目の前を癇癪玉を窓から投げて、

大きな音をさせて何台もの車が

走っていった。

 

アメリカの祝日だったのはわかる。

でも、住宅地や道路でアホみたいに

花火や爆竹や癇癪玉を鳴らす必要が

あるのだろうか。

私たちは、好むと好まざるとに

関わらず、他の生き物と

共存していることを

忘れてはいけないと思うんだ。

この地球は、

人間だけが住んでいるわけじゃないもの。

私たち人間のお行儀の悪さで、

他の生き物の住むところも命も、

奪ってはいけないと思いませんか。