Discostar☆Love F.D.O.Y. 2016-Final | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
腐寄りにつきノーマルアラシックさまは速やかにご退出くださいませ。

Discostar☆Love
First Day of the year 2016 #29

最初から #1
前回のお話 #28




「お前ッ、」

「くふふっ!」




じゃれ合って、

いっぱいキスして。

翔ちゃんの腕の中で幸せが生まれる。



気付いたら、窓の外

蒼が退(ひ)いて薄紫からだんだん白けていく空が

少しずつ桃色を纏い始める。




「雅紀・・・、そろそろだよ、」

「うん、しょぉちゃん、テラスに出よ?」




ローブと一緒に揃えで買ったモコモコのルームシューズを履いてテラスに出る。


翔ちゃんが後からバスローブを着て

ホットココアを淹れてきてくれた。




「ん、ありがと、しょぉちゃん。」




受け取ると翔ちゃんは自分のマグをテーブルに置いて




「まだ平気そうだよな?」




って、また部屋に戻っていった。




「早く早く、もうすぐ出て来ちゃうよ!」




明るみを増す東の空に顔を向けていたら、

フワリ、と、

翔ちゃんが毛布を持ってきて

抱きしめてくれた。



おれたちは身長差がほとんどないから

顔が真横に来て

おれの右頬に翔ちゃんの左の頬が重なって。




「ふふ、しょぉちゃんのほっぺ
あったかいね」

「雅紀が冷たいんだよ」




チュ、って啄むようなキスをされて




「あ、ホラ、雅紀、出てくるよ」




翔ちゃんの顔がまた真っ直ぐを見つめる。



横にたなびく薄雲から強い光を放って

今年最初の陽が昇る・・・



数分、いや・・・数十秒かもしれないけど

おれたちは同じ景色を無言のまま見つめて

すっかり全部が昇ってしまうまで、

翔ちゃんの腕がおれをギュッて包み込んでくれていた



なんだか、

東京の ど真ん中にいながら

自然の雄大さを感じて



生きてる・・・


生かされてるって思って



こんな広い地球上の

ほんの僅かなパーセンテージで

おれは翔ちゃんと出逢って



生い立ちも

バックグラウンドも違うのに

不思議とお互いが惹かれあって

遠回りをしたけれど


今こうして一緒に居られる幸せと歓びに

なんだか感動して涙が出て来た。




「雅紀?どした?」




優しく覗き込んでくれる翔ちゃんに


コトリ、


マグを置いて



ギュッ、て


抱きついて




「しょぉちゃん

出逢ってくれてありがとう

今年も一年よろしくお願いします」




ふふ、って笑って



唇を、重ねた。

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Fin