二人の記念日 #2 | 山風に吹かれた櫻葉へのつぶやき。

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ある時は嵐情報。またある時は櫻葉妄想小説。自由に生きております。
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前回のお話 #1

二人の記念日 #2




2005年、12月。




「相葉くん、今年のクリスマスの予定は?」



「えぇ?!クリスマス~?

・・・なんもないかなぁ~、

国民的アイドルなんつったって、寂しいもんだよね、実際!くふふっ!」




キミに予定がないと知って 浮かれて




「ふははは!本当だな!っつーか俺も今年一人なのよ。

二人でパーティーでもしねぇ?」



「いいねー!しちゃう?しちゃう?!

あ・・・でもホントに?

しょぉちゃん、お友達とか・・・」



「みんな今年はカノジョと過ごすらしくてさー!

みんな良いよなァ!」



「・・・ふふ、そうだね・・・、」




ズキン・・・、



『そうだね』


・・・自分から探っておいて

やっぱりカノジョ欲しいのかな、

なんて思って密かに傷ついて。



それでも

柔らかく笑うキミの綺麗な瞳を見つめると

ずっと側で見ていたいと思うんだ



『好きだよ』



なんて・・・

今はまだ言い出せないけど。




照れくさいのもあるし

自信がないのもあるから



『キミが 好きだよ』



言い出せないから

想いが出口を見失って



積もり積もった想いで

この胸がはじけてしまいそうだ



キミは俺の事・・・


どう思ってる?






* * * * * * * * * * * *






「カンパ~イ!」


「乾杯、」




二人合わせたグラスの中

漂うワインが

キミの誕生年のものって気付いてる?



俺たちの生まれたこの国が

クリスマスイブからお祝いする習慣で良かったなんて

密かに想う俺の気持ちを知らないキミは




「も一回!しょぉちゃんメリークリスマース!」




そう言って無邪気にまたグラスを合わせてくる



はしゃいでワインがグラスから零れて

キミの手の甲を濡らした



ペーパーで拭おうとするその手を併せて包み込む



大好きなキミの瞳が揺らめいて見えるのは

キャンドルの炎だけのせいじゃないよね?




「相葉くん・・・、

お誕生日おめでとう。


生まれてきてくれて、ありがとう。」



「しょぉちゃ・・・?」




驚いたキミが手を引っ込めて


落ちそうになったグラスを受け止める事ができたように



俺はキミのココロをも



受け止める事はできないかな?





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