#13
・・・どのくらいうたた寝したのか・・・
妙にカラダが重く感じて意識が戻り始める。
何か息苦しい・・・
まだ携帯・・・鳴ってないよね?
マナーモードに・・・なってないよね?
今、何時頃なんだろ?
・・・時間を確かめようと目を開けて、
おれは思わず声を上げた。
「ぅわっ、しょぉちゃんっっ!?」
ソファーで横になってたおれの上、
翔ちゃんが跨るように覆いかぶさってた。
洗いざらしの髪に、Tシャツ姿・・・
えっ、あれっ?
待って、なんで・・・?
携帯、まだ鳴ってないよね??
「ゅ、ゆめかなっ!?」
何が起きてるのか理解できず、
慌てて、目の前にある翔ちゃんの両頬をつねってみる。
「・・・ってーな、おいっ!
こういう時には普通、自分をつねンだろーが」
「しょぉちゃんっ?! ホンモノっ?!
え?・・・ねぇなんでなんで?
えっ? えっ?なんでっ???」
「ははは、お前、ナンデ言い過ぎだろ!」
翔ちゃんは笑いながらおれの両手を頬から外して、
そのまま指を絡めて来た・・・。
けど、翔ちゃん、眉が吊り上がってる・・・?
おこ、怒ってる・・・かな?
いや・・・優しい目・・・
だよね・・・?
じわじわと頬が熱くなってくる。
・・・キス・・・したいな・・・
して・・・くれるかな・・・
・・・する・・・のかな・・・
期待とはウラハラに、
フイと重みが引いて
・・・翔ちゃんはソファーの端に座った。
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